自分の頭で考える日本の論点 -感想- 日本と世界の違いを学べる一冊

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どうも、読書が好きな隣の鈴木(@next_suzuki)です。

「自分の頭で考える日本の論点」(著者:出口治明さん) の感想。

ただの感想である。考察ではない!

概要

あらすじ

昨今の社会的な話題について著者:出口 治明さんの意見が書いてある。

読んだ理由

何か本を読みたいな。良い本ないかなー?と、
Amazonで高レビュー評価の本を探したら、この本を発見!!

どうせ読むなら最近発売された本を読みたいとも思っていて、
発売日をみたら2020年11月と新しい本だったので、この本を読むことに決定した!!

読む前の僕は

バブル時代を謳歌したインテリ系の高齢者が、
将来が暗い日本について嘆くのだろう。と捻くれた先入観で手に取った。

完読までの時間

10時間29分かかった。
(Studyplusで計測した)

感想

好き勝手に感想を書く。

読み終わって感じたこと

とても良い本!!
読み終わったあとに「この本にめぐり合えて良かった」と思えた。
この本と似た気持ちになったのは『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』以来だ。

もし、最近の本でオススメがある?と聞かれたら、
迷わず「自分の頭で考える日本の論点」をオススメすると思う。

タテ・ヨコ・数字の考え方

著者が物事を考えるときの方法がとても理解しやすかった。

  • ヨコ
    日本の歴史と比較
  • タテ
    他国と比較
  • 算数
    事実

経済に疎い僕には、タテ・ヨコの話しがとても勉強になった。

移民についてのヨコの話しなど、
えぇそうなの?!と思うことがいっぱいだった。

前向き

内容が批判的ではなく、淡々と語っていて常に前向きだった。

この手の本によくある、
日本はヤバイから、あなたはXXXしといたほうが良い。
といったようなアドバイスは皆無。

自分の意見は言うけど読者に押し付けない。
まだまだ改善すればなんとかなる。と希望を与えてくれる文章だった。

この文章が、
30代の僕としては励まされた。
自分らの世代が何か行動を起こせば、まだ何か良い方に繋がるのでは?
と少しの勇気を与えてくれた。

新型コロナ禍でグローバリズムは衰退するのか

トランプ大統領の貿易政策の意味や、
どうしてトランプ大統領を支持する人たちがいたのか?が、やっと理解できた。

日本人は働き方を変えるべきか

バブル時代は上位を締めていた日本企業が年々陥落している。
家電製品メーカーなんて、どんどん海外に回収されている。

著者と同じ年くらいの父親が「おい、これ中国製だぞ!!」と揶揄する。
それを聞くたびに、おいおい、もうどんどん日本企業はその中国に買い取られてるんだぞ?と嘆く。

しかし、なぜこのような現状になってしまったのか?についてはわかっていなかった。
それがこの本に書いてあった。

日本の『工場モデル』という考え方が、僕の脳内にはなかった。
僕はデスクワークなので、こういう形式の生産モデルが頭になかった。
しかし、この本を読む限り、日本は生産モデル企業が主流なのだ。
そういう社会のズレが僕にはあることを認識できてよかった。

勉強しない大学生

「入るまでが重要で、入ってからは楽なのが大学」みたいな言葉はよく聞く。
しかし、僕は専門学校卒業なので、本当にそうなの?といつも疑問だった。

大学の校長である著者が「日本の大学生は勉強しない」と言ってるくらいなのだから、
本当に勉強しないのだろう。

海外の大学生は勉強する。という文章を読んでいて、
そういえば同窓会でアメリカの大学に留学した同級生に会ったときに、
「バイト代も稼がないといけないし、課題もいっぱいで徹夜しないといけなくて大変だった。」と言っていたことを思い出した。

他にも英会話のイギリス人先生も、大学は勉強で大変だった。と言っていたことを思い出した。

かたや僕の周りで大学に行った友達は「3年生まで真面目に単位とってれば4年制は遊ぶだけだよ。」と言ってるくらいだったので、
勉強しないのは、あながち間違いではないのかもしれない。

たびたび就活について指摘していたが、
本当に日本の就活については僕自身かなり疑問だ。

新卒時代は、IT系の上場企業に入社した。
そこで会った約60人以上の同期の半数以上は、
ITや工学とは無縁な学科だった。

大学って何で行くんだろう?と本当に疑問だった。
未だにこの答えは見つかってない。

安楽死を認めるべきか

安楽死を認めている国があることは映画『世界一キライなあなたに』を観て知っていた。
この映画をみたとき「ディグニタス」を知って衝撃的だった。

僕はこの映画をみて、
日本もこういう制度があれば良いのに。と思った。

でも、この本のおかげで改めて考えさせられた。
たしかに障害者などは変な風に利用される危険性はあると思った。
もし、自分が障害児の親で残された子供の事を考えたら、この手段をとらないと言い切れるか?と自分に問いかけてしまった。

APC(アドバインス・ケア・プランニング)

これからの時代に本当に必要なことだと思う。

この前、たまたまだが母親から「もし母親が死んだら」と言う話をされた。
遺品、誰に連絡するか。などを説明された。

「終活」について考えることはとても大切だと思う。
だから、僕は母親の言葉を黙っていた。
母親に「終活」について考えて欲しい。と願っていた。
しかし、いざその願いが叶って母親の言葉を聞いてみると、

そんな母親が死んだときの話なんて、想像したくもない、もうこの話はやめてくれ。

そんな感情が心の中で溢れかえった。
しかし、この本のおかげで、僕はその葛藤を押させて母親の言葉を聞けたのだと思う。

母親に鬼畜なお願いで申し訳ないとは思ったが、
延命になったときにどうするか?だけは考えてくれ。とお願いしておいた。

きっと、これからこういう事で悩む人は増えていくのだろう。
まだ僕の周りにはいないだけで、きっとひにひに増えているのだと思う。

日本は移民・難民をもっと受け入れるべきか

日本のニュースをみているとあまり取り上げられないんだけど、
BBCワールドニュースをみていると、ちょいちょい見かける移民の話題。

タテの話で、日本は3種類混合している事実にビックリ。
ヨコの話で、「移民」の定義を読んで更にビックリした。

最近、地元で黒人の中学生を見ることが増えて、
あぁ黒人との混血とかどんどん増えていくんだろうな。
将来は混血がたくさんいる世の中になるんだな。
日本の血が薄れて嫌だな。とか思ったんだけど、

この本を読んで、元々混血なら、もう別にどうでもいいや(笑)
社会のためにグローバル化は必要だ。
てか、混血は文明が発展した証拠なんだ!!と割り切れるようになった。

移民、難民は優秀な人々

移民は能力が高い。みたいな話しは本当だと思う。

新天地に行くのは怖い。
だけど、そこに挑戦しようとしているんだから、
精神力に富んだ強い意思の人なのは納得である。

僕なんか生まれも育ちも神奈川県民であるが、
30年以上住んでいて他県に住みたいと思ったことは一度もない(苦笑)

むしろ、ずっといてやる!!と思っている。

昔、ある日ふと父親が
「生物っていうのは子孫を残すために遠くに行きたがるらしい。」と言っていた。
おいおい、50年以上地元に生きている人間が言う言葉か?!
息子に遠くに行ってもいいいってことなのか?!もっと小さい時に言ってくださいよ!!と思ってしまった。

しかし、この遠くに行くって気持ちが、
社会で生き残るための生物的な本能なのだと思う。

2019年に都心の20~30人くらいの飲み会に何度も参加したけど、
だいたい幹事とかやっているバイタリティー溢れる人は、
地方から出てきた人だった。

彼らのやる気・情熱を感じて、あまりの強さに正直ぼくはめまいすら感じた。
そして、こういう人が社会で生き残り成長するんだろうな。とも思った。

この本がいう優秀とは、
行動する勇気・意志力の強さなんだと思う。

公的年金保険は破綻するのか

日本の財政について説明されている。
ざっくりは知っていたけど、更に理解が深まった。

家庭内で貸し借りしているようなもの。という説明はわかりやすかった。

「世代間の不公平が生じるのは仕方ない」と書いてあったけど、
そうなんだと思う。

今年、会社を定年間際で辞めた先輩が「俺らは良いけど、君たちの世代が心配だよ。君らの時代にはほとんどもらえるのかもわからないよ。」と言っていた。

たしかに現役世代よりは多いし、不満ある。
でも、この本に書いてあったように
今の70代の人達は「土曜日に働いていて、パワハラにも耐えていた。」というのはあると思う。

今の世代は「新しい物事を覚えることが多い」いう苦労はある。
でも、僕はこの70代の人たちの苦労をすべて知っているわけではない。
知らないのに不公平だ!!とマスコミの記事をみて言うのは変な風な気がした。

たしかに父親の話しを聞いていると、
土曜日に休みはなかったし、小学校時代は朝から牛乳配達していたし、僕らより十分働いている。

僕らは個性を尊重しよう。という、ゆとり教育のおかげで、だいぶ自由な社会にはなってきた。
その点は過去に苦行の耐えてきて、バブル時代に労働力として社会を支えた年配者のおかげなんだと思う。

まあ不満な点もあるけれども、そんな過去の事を責めていてはキリがない。
だから、年金が不公平だ。と言うのはやめようと思った。
そんなこと言ってる暇があるなら、稼いだほうがよっぽど良い。

おわりに

とても良い本だった。

読んでいて、いろいろな疑問が自分の中で生まれた。
それはこの本が僕に刺激を与えてくれた証拠だと思う。

経済には疎い僕だから、
1回では理解しきれない部分も多々あったので、
改めてまた一部でも良いから読んでみたい。

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