嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか -感想- 他者から語られる監督像

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どうも、落合博満さんのファンな隣の鈴木(@next_suzuki)です。

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(著者: 鈴木忠平さん) の感想。

ただの感想である。考察ではない!

概要

本の概要など。

あらすじ

落合博満さんの監督時代を記者、スタッフ、選手の目線で描かれた本。
落合さんの表情から読めない真意を、みんな必死に読み取ろうとする姿がプロの世界を表現している。

読んだ理由

落合さんの「采配」「コーチング」を読んだ。
落合さんの別の本を読んでみよう。

Amazonで探したら、この本を見つけた。
レビューもとても良い。
落合さんが書いたわけではないけど、みんなが絶賛するこの本の内容が気になった。

感想

好き勝手に感想を書く。

読み終わって感じたこと

面白い。レビューの評価も納得。

仕事で帰りが23時の僕だが、すぐに寝ないといけないのに、
続きが気になって寝不足になってまで読み進めてしまった。

繋がる

この本の面白さと直接の関係はないけど、
「采配」などを読んだ人などは、とくに面白いと思う。

落合さん視点と、他者が書いた視点が繋がって面白い。

落合さんが中日ドラゴンズの監督を2011年に退任して、約10年以上の月日が経った。
あれから時代はかわり、youtubeの登場により、当時の情報がかなり出回っている。

当時、落合監督時代に現役だった選手たちは、すでにプロ野球選手を引退している。
引退した選手たちが野球以外で生活するために、こぞって野球チャンネルを立ち上げている。

そんな選手たちのチャンネルの動画をみていると、
落合監督のネタを披露していることをちょいちょい見かける。
というか、昨年から落合博満さん自身がyoutubeでチャンネルを立ち上げて、
当時を披露している(笑)

この本の内容は、
そんなyoutubeなどの各メディアで紹介されている内容と一致している。
ある意味では、この本の内容をyoutubeが補填しているし、
youtubeの内容をこの本を補填している。
お互いに繋がっていて面白い。

むしろ、もう10年以上も前の出来事のせいか、
選手たちの記憶も曖昧なのか、選手ごとに若干内容の差があったりして、何が真実なのかわからない部分もあって面白い。
そこはまあyoutubeというエンタメで披露されている情報なので、ご愛嬌だとは思うw

そんなわけで、僕はこの本を読んでいて、
youtubeの各野球チャンネルが面白くて、しばらく野球チャンネルばかりみている時期があった。

記者目線

この本の良いところは、
平々凡々なサラリーマン記者が、落合さんと出会いながら変わっていく点である。

昭和時代の日本らしさが残る年功序列で情緒社会を落合さんが、
独自の価値観で壊していく姿に影響されて、記者も変わっていく姿が良い。
若い記者だからこそ、落合さんのアドバイスを素直に吸収できたのかな。と思う。

初年度の開幕投手

川崎憲次郎選手の開幕投手。オレ流の代名詞的なネタである。
「采配」にもあったし、
youtubeも検索すると、川崎憲次郎さんも山本昌さんも川上憲伸さんも語っている。
いろいろなところでネタになるね。

そんな色々の人のインタビューをみていたので、
それぞれの選手のセリフが繋がるような内容で、
あぁ忠実に再現されているだな。と、この本について信頼してしまった。

落合さんにデッドボールを当てた話が印象的だった。
良い回顧録。構成がうまい。

落合像

「采配」を読むと、
淡々と自分の理論を展開している。
他人からの批判については描かれていない。

ぼくは中日ファンではない。
だから、当時の落合さんの批判を知らない。
だから、この本を読んで落合さんがどれくらい嫌われていたのかがよく伝わってきたし。
この本のタイトルの意味もわかった。

落合さんの「嫌われてもいい」という発言も。
落合さんらしい気がした。

最近、金持ちは空気を読まない。ということを聞いた。
理由は他人に依存する必要がないかららしい。
要は他人にこびたりしなくても、自分ひとりで生きていけるから。ということらしい。

落合さんの姿を読んでいると、似ているような部分を感じた。
圧倒的な技術力(うらで努力しているわけだけど)による自信。
その結果、他人の評価に媚びない信念を貫いて、監督生活をやり遂げたような気がした。

最近の僕は他人に媚びてばっかしだ。
この落合さんの強さをみて、僕も少しは見習わなければ。と感じた。

愛妻家

怖い監督像ばかりかと思いきや、
奥さんとの思い出のお守りの話しもあって感動的である。
年上女房の奥さんには頭が上がらないのがよくわかります。

ちょっとホッコリもするし、
奥さんの「眠れない」という発言を聞くと、
あんな非情で淡々にしているようにみえる落合監督も、
実は他の人と同じで不安で眠れなくなるような人間らしさもあるんだな。
と思わせてくれる。

なんというか家族を通して、落合さんの人間味を感じることができた。
この本の中和剤的な意味で良かった。

完全試合

日本シリーズ初の完全試合を目前に山井選手を岩瀬選手に変えた話し。
オレ流のネタその2である。

youtubeみていると落合監督の話は、
だいたい、さきほどの開幕か、この完全試合のネタである。

これもyoutubeで色々な選手が語っているので、興味がある人は観て欲しい。

この本の落合さんをみていると、常に感情よりも理性が大切なように描かれている。
鉄拳制裁などの感情論を組織から排他して、常に勝ちを目指すため時には冷淡な判断も下す。
そういう落合監督政権が描かれていた。

印象的だったのが、チームを船に例えているセリフだった。
これは社長(経営者)の考えに通じるところがあるよね。
そういう意味でも「采配」は売れたんだろうな。と思った。

エンタメとして、野球の記録で考えれば、たしかにあの采配は正しかったのかはわからない。
でも、会社で考えると、あの采配は正しかったように思われる。
そして、そういう人情を捨てた采配をしなければいけないのは、チームのリーダーなのである。

もし、会社で社長が、
あいつがお気に入りだから、と言って、お気に入りの社員の事業を続けて、
組織の赤字が数年間も続いたら、そりゃあ誰もついてこない。
船を降りる。つまり会社をやめていってしまう。

スポーツは人情が必要。と思ってしまうけど、
やっぱしプロ野球界が残り続けるには、
「経営」の観点も必要である。

ただ、人にロマンを与えるだけでは、
今のたくさんある娯楽の中で残ることはできないよね。

そういう娯楽の中で生き残るために、
落合さんは勝ちを最大のパフォーマンスとして貫いてきたし、
バッシングする人たちは、もっとファンサービスを!と言ってきたわけである。
考えは違ったけど、目指していた結果は同じなのである。
だから、どっちが正しいとかはないのだと思う。
ただ、結果としては勝てなくなったドラゴンズは動員数が落ちているから、
落合さんの考えが正しかったのかもしれない。
でもまあ、当たり前の考えだけど、勝ってパフォーマンスもあればよかっただけの話しである。
そこが落合さんの不器用さだったのかな。とも思う。
けど、そんな両方こなせるスーパーマン?天才なんていないのだろう。
何かを伸ばすためには、何かを犠牲にしないといけないのだろう。
落合さんが野球のために家庭を犠牲にしていた。と言っていたし、
そのせいで息子さんはお父さんの気を引くために、球界に違った意味の伝説を残したわけである(苦笑)
でも、息子さんは声優で野球アニメ「グラゼニ」の主人公を務めたから凄いなあ。とも思う。

荒木雅博選手

落合監督にも、一番食事の場に野球の話を聞くために来た選手 と評価されている。

食事の場で投げかけた言葉に僕は胸をうたてれた。

だからお前は、監督から嫌われても、使わざるを得ないような選手になれよ──

引用:嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか

あぁ…、これがサラリーマンが生き残るすべとしてすべてだな。と悟った。

三冠王として、優勝請負人として、各球団を渡って、記録を残した選手だからこそ、現実味のある言葉だった。

最近、ぼくは会社で生き残る方向性を見失いかけた。
30代も中盤になり、このあとは中堅になる。
「若さだけ」でなんとか生き残れていた人間が、若さを失って、何も取り柄がなくなってしまった。
どうすればこの先も社会で生き残れるのだろう?!
そんなことを考えることが日に日に増えた。

そんな生活を送っているとき、この本のこの言葉が僕の心に刺さった。

たしかに周りをみても生き残っている人は、
会社で社長やリーダーに嫌われても、生き残る技術や能力があるから生き残っている。

他人からみれば、当たり前のことなんだけど、そんな当たり前のことすら僕はわからない馬鹿だった。
この本を通して、そんな当たり前のことを再確認することができた。

きっとすごい功績を残した監督が、すごい功績を残した選手に投げかけた言葉だから、ぼくに刺さったのかもしれない。

ぼくはこの二人のような選手にはなれないけど、この言葉を胸に頑張ろうと思った。
今からでも生き残れるように、他人に媚びずに生きられるように、誰かに使ってもらざわる得ないような人間になれるように頑張ろう。と思った。

おわりに

本当に良い本だった。
2022年に手に取った中で一番ぼくには刺さった本だった。
レビューの評価もあながち頼りになるもんだな。と学んだ。

まだ落合さんの本で読んでないものがあるので、これからも読み続けようと思う。
ビジネスで迷ったとき、落合さんの本やこの本を読み返して、やる気を取り戻そうと思う。

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