葬送のフリーレン 8巻 -感想- | 北部高原で描かれる人間の感情

『葬送のフリーレン』8巻の感想・レビュー記事のアイキャッチ画像 漫画
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ただの感想である。考察ではない!ネタバレ込み!!

📝 はじめに

どうも、ファンタジーといえば『ラグナロクオンライン』を思い出す隣の鈴木(@next_suzuki)です。

『葬送のフリーレン 8巻』の感想を書き残す。


📘 この巻について(概要)

物語の概要と、読むきっかけを簡単にまとめる。

📖 あらすじ

エルフのフリーレンと人間のフェルンが、魂の眠る地(オレオール)があるとされるエンデを目指して旅を続ける。

一級魔法使い試験を終え、一行はいよいよ北部高原へと足を踏み入れる。

💡 読んだ理由

アニメが面白かったからである。
シーズン2まで一気に観てしまった。続きが気になったので漫画を読むことにした。

⬅️ 前巻(7巻)の感想はこちら


💭 感想まとめ

シーン単位やキャラごとに感想を語る。
感想・批評はすべて僕自身の主観である。

🌀読後の感想

  • 冒険の日々を通して、フリーレンがどうして面倒な依頼まで引き受けるのか、その根っこの部分が描かれていた
  • 無理やり今巻のテーマを挙げるなら、「故郷」なのかもしれない
  • ゲナウの発言を通して、いろいろな価値観について考えさせられた

📖 各話ごとの感想

各話について語るよ。
以下で引用する章タイトルは『葬送のフリーレン 8巻』(山田鐘人, アベツカサ)から引用。

📘 第68話

ついに、一級魔法使いになる目的でもあった北部高原へと入る。

さっそく北部高原の魔物の洗礼を受けるけど、戦闘シーンが本当に短い。2〜3ページくらいで終わってしまった。

アニメでは戦闘シーンがかなり細かく描かれていたので、こうして漫画を読むと、アニメーターさんが相当頑張っていたんだなとヒシヒシと感じる。


シュタルクが「こんな危険な土地で暮らす必要なくない?」みたいな疑問を持つ一方で、村人たちは思い出のある土地だから故郷を捨てられないと語る。

これって、たしかに理屈じゃないんだよね。

『葬送のフリーレン』の世界では危険=魔物だけど、現実で考えるなら災害に近いのかもしれない。
大きな災害に遭っても、それでも故郷を離れたくない人はいる。きっと、この村人たちも似たような気持ちなんだろうなと思った。
安全な場所へ移ればいいと理屈では言えても、故郷への思いはそんな単純なものではない。


そして、ヒンメルも故郷を大切にしていたからこそ、自分とは違う土地で暮らす人たちの「故郷を守りたい」という気持ちも大切にしていたんだと思う。
だから面倒な魔物退治でも引き受けて、人助けを続けていた。

昔のフリーレンは、今のシュタルクと同じように「こんな危険な道を進むくらいなら、船を使えばいいのに」と考えていた。
だからこそ、シュタルクの疑問は過去のフリーレンと重なる。

でも今フリーレンは、ヒンメルがやっていたように面倒な依頼を引き受けながら、その行動を通してヒンメルの気持ちや人間の感情を理解しようとしているのかなと思った。

📕 第69話

最上の名酒を探しているドワーフを手伝う話。

ミリアルデという、フリーレンやゼーリエとは別のエルフが登場した。

エルフは長寿だからこそ、何か一つのものを長い時間をかけて探求するらしい。
そう考えると、ゼーリエやフリーレンにとっては、それが「魔法」だったわけだね。

ミリアルデは今後も登場するのかな?
これから先、魔法とは別の何かを探求しているエルフも登場してくるのかもしれないと思うと、少し楽しみになった。

📗 第70話

北部高原のインフラを支えるノルム商会についての話。

フリーレンが、ちょっとした貴族並みの資産を持っていることに驚いた。
え、フリーレンってちょっとした金持ちだったの?!
てか、魔法で銀鉱まで見つけられるなら、やろうと思えば普通に金持ちになれるのね。

これから北部高原でちょいちょい登場する「ノルム商会とは何者なのか?」を、簡単に説明する回だったね。

📙 第71話

魔物に襲われた集落で、ゲナウとメトーデに再会する回。

ゲナウが「どうして死ぬのは戦う人間ではなく、戦いたくもない一般人なんだ」みたいな葛藤を抱えているのが、なんか胸に刺さった。

たしかに戦いって、当事者同士だけで終わらず、無関係な人まで巻き込まれることが多い。
それってかなり理不尽だよね。
でも、理不尽だからこそ人は怒って、その怒りがまた次の戦いにつながっていくのだろうかと思った。


検死魔法という設定は初めて出てきたけど、便利で良いな。
魔法の種類にかなり自由度があるので、こういう物語を作る側としても色々な設定を出しやすそうだなと思った。


最後のフリーレンのコマも良かった。
「魔王を倒した元勇者パーティーの私がお説教してあげようか」みたいなノリに見えて、ちょっと怖い。

📘 第72話

ゲナウの「苦しんで死んだのに、火葬したらまた燃やされて苦しむ」みたいな考え方は、火葬が当たり前の日本人の僕には結構印象に残った。
たしかに、生きている人間が燃やされたら苦しむわけで、そう考えると一理あるんだよね。

自分にとって当たり前の価値観でも、見方を変えると疑問を持てるものなんだなと思った。
外国では火葬しない国もあるけど、ゲナウみたいな感覚に近いのかな? ちょっと気になる。


一方で、ゲナウ自身もノルム商会の意見を論理的には肯定している。

フリーレンの世界では火葬は魔物対策として語られているけど、現実世界でも衛生面や感染症対策など、火葬には合理的な理由がある。

必要なのは分かっている。でも、感情では簡単に割り切れない。
この理屈と感情の間で揺れている感じが、今回のゲナウにはずっとあるように思った。


そして「将軍」という新しい敵の設定も出てきた。
過去にはアイゼンより強い個体もいたらしく、いきなりハードルを上げてきたね。
これから北部高原で、こういう強敵がどんどん出てくるのかな。

📕 第73話

シュタルクが、ゲナウの「逃げられない」という気持ちを汲んでフォローするところが良いね。
乙女心には鈍いのに、こういう人の気持ちには妙に繊細なのがシュタルクらしい。

そして今回も、ゲナウの葛藤が良かった。
自分はこれまで酷いこともしてきた。それでも、いざ自分の故郷が滅びると、やっぱり平静ではいられない。
理屈では割り切ろうとしていても、感情がついてこない感じがする。


一方で、メトーデは完全に別方向へ。
賢いお姉さんキャラだと思っていたのに、急にちょっと変な性癖を持ったキャラみたいになって笑ってしまった。

最初は嫌がっていたフリーレンも、魔導書を渡された途端に好き放題させているし、それを見て嫉妬するフェルンもシュールで面白い。

てか、魔導書でここまで好き放題できるなら、ヒンメルもフリーレンに魔導書を渡していれば、もう少し夢が叶ったのでは?と思ってしまったw

📗 第74話

ゲナウ&シュタルクVS神技のレヴォルテの話。

シュタルクのおかげで、このままあっさり勝利か?!と思ったら、ゲナウが子どもを庇ったことで一気にレヴォルテが優位になる。

自分では冷血みたいに語っていたゲナウだけど、子どもを庇うところを見ると、根は優しいのかもしれない。
ゼーリエがゲナウに「優しくない奴」みたいなことを言っていたのも、本当は優しい人間だと直感で分かっていたからなのだろうか?
それにしても、こういうツンツンしたというか、可愛げのないゼーリエのセリフはうまく書かれているなと思う。


ゲナウが「人間に子どもを庇う習慣があるなら、世界はもっと平和だろ」みたいなことを言っていたけど、本当にそうだよなと思った。

実際、人間には子どもを守ろうとする気持ちがあるのに、どうして戦争はなくならないんだろう。
自分の子どもを守りたいからこそ、そのために他人の子どもを攻撃してしまうこともあるのだろうか。
なんとも矛盾しているなと思った。

📙 第75話

フェルン&フリーレン&メトーデVS魔族の話。

ゲナウが「俺の相棒は戦闘好きが選ばれる」みたいに言っていたけど、本当にメトーデは戦闘好きだったね。

今回はメトーデのサポートもあって勝利。
メトーデ自身については、ここで少しだけ背景が語られる感じだった。
今後、メトーデの一族が登場して、もう少し深く掘り下げられるのかな?

📘 第76話

シュタルクがザインのことを気にしていて笑った。
やっぱりシュタルクって、気遣うポイントがちょっと独特だと思う。

たしかにザインが求めている「年上のお姉さん」って、メトーデさんみたいなタイプかも。
この二人が一緒にいるところ、ちょっと見てみたいw


76話と77話の間のコマで、フェルンがベットで寝ているシュタルクの手を握っているのも良かった。

このコマを見ると、

ザイン「もう付き合っちゃぇえよ!!!」

引用:「葬送のフリーレン」 4巻 第35話

が脳内再生されるw

📕 第77話

「竜=群れ」という、これまでとは違う北部の価値観で、改めて北部高原の恐ろしさが描かれる。

そして今回は、ヒンメルがきちんと報酬を受け取る理由も語られる。
冒険を続けているヒンメルたちは、その人ともう一度会えるとは限らない。
だからこそ、その場で報酬を受け取って貸し借りをなくしておくことが大切なのかもしれない。
貸し借りがないからこそ、助けられた人たちも何の遠慮もなくヒンメルの英雄譚を語れるのかなと思った。


そして、デンケン キター!!
ついに黄金郷編。

アニメではここが最後だったね。
漫画とは少し順番を入れ替えていたけど、特に違和感はなかった。

🧑‍🤝‍🧑 キャラ別の感想

各キャラの感想をざっくり語る

ゲナウ

ぶっちゃけ、もう登場しないキャラだと思っていたので、今巻でここまで深く描かれて驚いた。

一級魔法使い試験の時は、冷たくて厳しい人物という印象が強かったけど、今巻ではその内面や葛藤がかなり描かれていた。

ゲナウの発言を通して、戦いや故郷、人間の習慣など、自分では普段あまり疑問に思わないことまで色々と考えさせられた。
こういう形で印象が大きく変わったキャラだった。


🔮 おわりに・次巻への期待

ついに『黄金郷編』の直前まできた。

ここまではアニメで観た内容を思い出しながら読んでいたけど、次巻からはいよいよアニメで描かれていない部分に入ると思う。

ここから先はほぼ初見になるので、どんな展開になるのか楽しみである。


📚 関連リンク
⬅️ 前巻(7巻)の感想はこちら
➡️ 次巻(9巻)の感想はこちら


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