葬送のフリーレン 1巻 -感想- | 後日譚という発想に驚いた

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ただの感想である。考察ではない!ネタバレ込み!!

📝 はじめに

どうも、ファンタジーといえば『ラグナロクオンライン』を思い出す隣の鈴木(@next_suzuki)です。

『葬送のフリーレン 1巻』の感想を書き残す。


📘 この巻について(概要)

物語の概要と、読むきっかけを簡単にまとめる。

📖 あらすじ

エルフのフリーレンが、魔王討伐時代の仲間だったヒンメルを知るための旅が始まる。

💡 読んだ理由

アニメが面白かったからである。
シーズン2まで一気に観てしまった。続きが気になったので漫画を読むことにした。


💭 感想まとめ

シーン単位やキャラごとに感想を語る。
感想・批評はすべて僕自身の主観である。

🌀読後の感想

  • 綺麗に1巻にまとまっている
  • アニメと思ったほどの乖離・遜色は無い
  • 綺麗な風景(流星・日の出の海)のシーンが多いのでアニメ向けなのは理解した

1巻を読み終えて、まず思ったのは「かなり綺麗に1巻にまとまっているな」ということだった。

アニメから入ったので、漫画を読んだときに「思ったより違うな」と感じる可能性もあると思っていた。
でも、実際にはそこまで大きな違和感はなかった。
むしろ、アニメは漫画の空気感をかなり丁寧に広げていたのだなと感じた。

流星や日の出の海など、静かで綺麗な風景が印象に残る場面も多い。
これは確かにアニメ映えする作品だと思う。

📖 各話ごとの感想

各話について語るよ。
以下で引用する章タイトルは『葬送のフリーレン 1巻』(山田鐘人, アベツカサ)から引用。

📘 第1話

まず「僧侶」って何だろう?!と思ってしまった。
昔、『ラグナロクオンライン』を8年くらいプレイしていたけど、僧侶なんて職業あったっけ?モンクはあったけどなあ……と思った。

調べて分かった。
僧侶=プリーストである。
わからなかったのが少し恥ずかしい。

あと、序盤から「なまぐさ」とか「くそ」とか、意外とひどい言葉が多い。
フリーレンもツッコミが毒舌である。
でも、『週刊少年サンデー』に掲載されている漫画だから、少年層の読者を考えると、こういう言葉遣いの方がテンポよく受け入れられるのかもしれない。


アイゼン「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ。」

引用:「葬送のフリーレン」 1巻 第1話

という趣旨の言葉は、本当に35歳を越えてから感じる。

腰痛を抱えながら子育てしていると、ああ、これから身体は衰えることしかないのに、今までの人生の倍くらい、この身体と付き合っていくのかと思ってしまう。

この言葉を15歳くらいで読んでいたら、まったく共感できなかったと思う。
でも、今読むと刺さる。

この作品は回顧録のような話が多いので、おっさんだからこそ理解できる部分があるのかもしれない。


フリーレンは薄情だと言われる。
そこでフリーレンは、人間の寿命が短いことを論理では理解していたけれど、感情としては理解していなかったことに気づく。

そして、気づかずに見落としていたもの、心の穴のようなもの、思い出の穴のようなものを、これから埋め合わせていく物語なのだなとわかった。


アニメを観た時に、誰もが思ったことだと思う。
「魔王を倒した後」の後日譚を描くという発想が本当にすごい。
僕は「面白さ=驚き」だと思っている。
その意味で、「ファンタジーもの=魔王を倒す日々を描く」というスタンダードの真逆を描いた設定には、素直に驚いた。

最近、「漫画のいろは」の動画で「面白さ=ギャップ」と紹介されていた。
「後日譚」という発想は、「ファンタジー=魔物に困っている世界を勇者が救う」という鉄板から、かなり離れている。だからこそ面白いのだと思う。

改めて考えると、ファンタジー作品なんて世の中に腐るほどある。
魔王を倒すというオチも、もはや当たり前である。
そこを改めて真正面から描くのは、原作案を考える人にとってかなり大変なのかもしれない。
ビジネスで例えたら、わざわざレッドオーシャンの世界に殴り込むようなものだ。
だから、あえて後日譚を書くのは、作品としてもビジネス的にも正解だったのだろう。


1話目から、エルフであるフリーレンの寿命が、人間とは計り知れないほど長いことが、ところどころに散りばめられている。
読者に「エルフは長生き」という前提を、自然に埋め込んでいる。

ヒンメルにとっての10年と、フリーレンにとっての10年。
同じ10年なのに、言い方も重みもまったく違う。

そもそも「エルフ=長寿」という設定が、自分の中でスッと納得できた。
なんでだろう?と思ったけど、20年以上前に映画化された『ロード・オブ・ザ・リング』の影響なのかもしれない。
もう20年以上前なのか……。そこにも地味に衝撃を受ける。

📕 第2話

ヒンメルが亡くなって20年経っても、ハイターが生きている。
ハイターが長生きなのか。それとも、ヒンメルの方が年上だっただけなのか。
少し気になった。

ハイターにフェルンを弟子として連れて行ってほしいと言われて、フリーレンは「死亡率」の話をする。
ここが論理的に書かれていて、「少年誌だな」と思った。

ぶっちゃけ、この物語は感情寄りの話なので、数字なんて別にどうでもいいよね、という雰囲気もある。
でも、男って「論理」で考えがちだから、こういう数字で示されると納得しやすい人も多いのだと思う。
そういう男寄りな思考の部分を、うまく補完しているのかなと感じた。


フェルンが4年で成長していくのが早い。幼い可愛い姿が、あっという間になくなった。
ちょっと寂しい(笑)

死期が迫りカッコつけるハイターに対して、フリーレンがお説教というか、アドバイスというか、叱るようなシーンがある。
あそこのセリフが良かった。

アニメでも泣いてしまったが、漫画でも泣いてしまった。
1巻で一番泣けたシーンだと思う。


ハイターがフェルンを助けた理由として、「学んだことを活かさないのは、その人との思い出を消すこと」という趣旨の話をしていた。
この言葉で、昔メンタリストDaiGoさんの動画を見たときのことを思い出した。
人が亡くなったときの心の向き合い方として、「あの時もっとこうすればよかった」というタラレバではなく、「あの人から何を学んだのか」を思い出した方がよい、と紹介されていた。

そのときは、なるほどと思った。
でも今回、「葬送のフリーレン」を読んで、その理由が少しわかった気がした。

その人から学んだことを思い出す。
それは、その人との思い出を消さないことにもつながるのだと思う。

フリーレンがヒンメルを見習って人助けをしながら旅を続けていく姿も、同じことを表しているのかもしれない。

「人との思い出を消さないこと」。

それを行動の原動力にして、人は生きていく。
この物語には、そういうテーマもあるのかなと思った。

📗 第3話

フェルンに「何のためか」と問われて、自分のためと答えるフリーレンは正直で良い。
フリーレンしかり、フェルンしかり、基本的には主要キャラが素直で良い。

おばあちゃんがフェルンに、フリーレンへ気持ちを素直に言いなさいと伝える。
そのシーンが描かれるのかなと思ったら、そこはカットされている。

こういう部分に、この漫画のテンポの良さを感じる。

回想シーンもそうだけど、無言のコマで割愛している場面が多い。
書き手が答えを明示するのではなく、読者に好きに連想させている。
そこも、この漫画らしい「のんびりした」「自由な」雰囲気につながっていて良い。

あと、セリフに「くだらない」とか「くそ」とかが多い。
大切なことを語っているはずなのに、そんな汚い言葉で表現していいのか?!と思った。

でも、よく考えると、人の人生の大半なんて「くだらない」や「くそ」みたいな出来事で成り立っているのかもしれない。
「くそ」や「くだらない」がたくさん積もっていくから、一瞬の何かが、とてもすごいことに思える。
でも、そのすごいことがあるのは、やっぱりたくさんの「くそ」や「くだらない」があったからこそなのだ。
そう考えると、あの言葉遣いも妙に納得してしまう。

📙 第4話

フリーレンの隠し事をしている表情が面白い。このほんわかした雰囲気が本当に良い。

フリーレンを尾行するフェルンの心理描写も面白い。
甘い物に対して「ずるすぎる」と思っているところは、まだ16歳の少女らしさがあって良い。
隠れて尾行していたことを、サラッとフリーレンに謝るフェルンの性格も良い。

この話では、フリーレンが「他人の好きなものがわからない」というようなことを言う。
そういえば、どうして人は他人の好きなものがわかるのだろうか?と改めて疑問に思った。

でも、人間でも、他人の好きなものがわからない人はいる。
僕もそういう人に会ったことがある。

ただ、それは大半の場合、相手に興味がないだけなのかもしれない。
でも、フリーレンの場合は、それと同じようには思えない。
フリーレンの「わからない」と、人間が相手に興味を持たないことで生まれる「わからない」は、同義ではない気がした。


フェルンが、フリーレンが自分を知ろうとしてくれたことが嬉しい、という趣旨のことを言う。

ここで、昔の知人のことを思い出した。
その人にプレゼントを渡したとき、僕は相手の趣味がわからず、気に入ってもらえる自信がなかった。

だから「気に入らなかったらごめんなさい」と謝った。

すると、「プレゼントをくれたことも嬉しいけど、あなたがプレゼントを選んでいる時間に、私のことをずっと考えてくれたことが嬉しい」と言われた。

つまり、プレゼントを選ぶ時間とは、相手のために自分の時間を使うことでもある。
きっと、フェルンが言っていた「知ろうとしてくれたことが嬉しい」という感覚と、僕の知人が言っていた意味は同じなのだろう。

もう16歳になったと言って、フリーレンがフェルンの胸のサイズに嫉妬しているような描写も、のほほんとしていて笑った。
女性には理解できないかもしれないが、少年誌くらいの年齢の男性には、このくらいがちょいエロでちょうど良いのである(笑)

📘 第5話

フェルンって、フリーレンの命令には従順なキャラだと思っていた。
だから、本を読んでいなかったことは意外なキャラ設定だった。

5話目にして、やっと魔物らしい魔物が登場した。ファンタジーものなのに、魔物が出るのが遅い。
そして、魔王が倒されたのに、まだ魔物は存在している世の中なのか、というツッコミの感情も芽生えた。

「強すぎたせいで、80年の年月で対策されまくって、今では普通になってしまった」という設定は、トンチというか、なぞなぞみたいで面白かった。

生死に関わらないからあまり意識しないだけで、昔はすごい技術だったけど、今では当たり前になっている技術は、日常生活に溢れている。

それを魔法に置き換えただけなのだと思う。
ゾルトラークの魔物は、いわば浦島太郎なのかもしれない。

📕 第6話

爺さんが「今回は」というような言い方をしていたので、このおじいさんも過去に会ったことがある人なのかなと思った。
回顧録のような物語だから、言葉の端々に伏線が散りばめられている。

そういう意味では、この物語は、過去にいろいろな場所を巡っている前提があるので、後付け設定や後出しジャンケンがやりやすい。
普通の漫画だと「これ後付けでしょ……」とツッコミやすい。

でも、この漫画はツッコミづらい。
物語の根底にある設定が上手い。

ヒンメルの言葉の意味は、「仲間が嬉しそう=フリーレンも嬉しそう」という意味なのかもしれない。

📗 第7話

「天国はあった方が都合が良い」という会話の意味が、ここでやっと理解できた。
物語のゴールとして、フリーレンたちは「エンデ」に向かうことになる。

ただ、そもそも「魂の眠る地(オレオール)」が本当にあるのかも怪しい。
天国もあるのか怪しい。魂の眠る地(オレオール)もあるのか怪しい。

でも、あった方が都合が良い。
だから、あると仮定して進んだ方が都合が良い、ということだったのだろう。

論理的に考えると、そんなに甘くないだろ!とは思ってしまう。

でも、人間の行動の大半なんて、そんな風に「自分に都合よく考えて行動する」が基本なのかもしれない。
だからこそ、いろいろな問題が起きてニュースになるのだろう。

ハイターもアイゼンも、フリーレンに優しい。
仲間思いである。

フリーレンが師匠の本なのに、内容を信じていないのも笑ってしまった。

この話で、物語のゴールは「魂の眠る地(オレオール)」だと決まった。
綺麗に1巻で収まっている。

やっぱり原作と作画の担当が分業されていて、原作者は脚本に集中できるから、こうやって綺麗に1巻に収まる構成になっているのだろうか。

🧑‍🤝‍🧑 キャラ別の感想

各キャラの感想をざっくり語る

フリーレン

勝手なイメージだが、漫画だと、もっと表情が死んでいるのかなと思っていた。

でも、そんなことはなかった。

変な表情をしたり、泣いたり、微笑んだり、仏頂面だったりする。
思ったよりも表情豊かである。

アニメから入った自分としては、漫画のフリーレンもちゃんと可愛いし、ちゃんと感情があるように見えたのは少し意外だった。

ただ、その感情の出方が人間とは違う。
そこがフリーレンらしさなのだと思う。


🔮 おわりに・次巻への期待

漫画を読んで、アニメはかなり作り込まれているのだなとわかった。
漫画の1話が、アニメの1話になっている。かなり丁寧に作られている。

1巻では、「魂の眠る地(オレオール)」というゴールが定まった。
つまり、この漫画は「魂の眠る地(オレオール)」に向かいながら、ヒンメルとの思い出を回顧していく物語なのだと理解できた。

フリーレンが人間を知る旅。
ヒンメルを知る旅。
そして、過去の思い出を消さないための旅。

1巻を読んだ時点では、そういう物語なのだと思った。
アニメで先の展開はある程度知っているけど、漫画で読むとまた違った気づきがありそうで楽しみである


📚 関連リンク

  • → 次巻の感想はこちら(未定)

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