コウノドリ 2巻 -感想- 産科医の闇を描く

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どうも、妻が妊娠中の隣の鈴木(@next_suzuki)です。

コウノドリ 2巻 の感想。

ただの感想である。考察ではない!

あらすじ

4話収録されている。

収録話

  • 人工妊娠中絶
  • 無脳症
  • 被膜児
  • 喫煙妊婦

読み直した理由

結婚してお嫁さんが妊娠したら読み直そう。と決めていた。

やっと妊娠して今年に産まれる予定なので読み直してみることにした。
漫画「コウノドリ」は、妊婦の色々なシーンが描かれている。

正直、妻が妊娠中に読むのは怖い。
あぁ自分もうこうなったらどうしよう。と不安になるからだ。
不安になったけど、何も起きなかったら起きなかったで、なにか起きた人たちに対してなんか不謹慎な気持ちになってしまう…。
そういう不謹慎な感情を抱く事じたいが、そもそも不謹慎な気もする…。

しかし、コウノドリのファンとして、今読まずしていつ読むのだ?!と思う。
妻が大変なときこそ、この漫画を読んで妻を支えるのが夫の役目なのでは?!
そんな気持ちで読むのは怖いけど、読むことを決めた。

人工妊娠中絶

学生の妊娠ネタ。どらまでありがちなやつですね。
昔ドラマで「14歳の母」とかあったよね(僕は1話もみてないのでどんな話かは知りません)。

中絶するか、しないか。を選択する話し。

「中絶は殺人です」
引用: 「コウノドリ 2巻」鈴ノ木ユウ/講談社

女子高生に語りかける、医師の鋭い言葉。
僕はこのセリフで、グッとこの漫画を好きになったような気がした。
のちにこの言葉のフォローが描かれるわけだが、
コウノドリで描かれる、こういった現実らしさを感じる言葉が好きでコウノドリを最後まで読んだのだと思う。

1巻は産科の光の部分が描かれていたけど、2巻になって闇の部分が描かれているね。

産科医は「生命を奪う権利」を持っている。
自分が年齢を重ねれば重ねるほど、この言葉の意味の重みが増している気がする。
メンタルを病みそう…。

中絶には2種類あるんだね。
初期は手術。中期はお産。
言葉の違いで、漫画で描かれている命の扱われ方の違いもわかったけど、
大人の僕としては、健康保険に該当するの?しないの?とかを考えてしまった。
命の価値より、生きるために必要なお金のことを考えてしまって、本当に自分は大人になってしまったんだな。と思った。

2013年発売のこの本で中絶は20万件と書いてあった。
現在はどうなっているの?と思って、厚生労働省の母体保護関係とかいうページを確認してみた。
2021年(令和3年)は約13万件だったらしい。
過去のデータをみていくと、徐々に減っている。良い世の中になっている…?!
でも、人口が減少して、妊娠が可能な女性の割合が減っただけな気もする。
子供の数が減っているんだから、妊娠が可能な若い子も年々減っているのだから、そりゃあ徐々に減るよなあ。
てか、コロナ社会で外出が禁じられているのだから、男女の接触も減るので、妊娠する数も減るはず?!
でも、高齢出産が増えたから、この漫画で描かれているように母体保護が目的の中絶は増えてるはず…?!

とか、いろいろとど素人なりに考えてみた。
でも、僕は人間統計学の専門家でも、医療系の関係者でもないので、結局のところサッパリ原因はわかりません(苦笑)!!

ラーメン屋の父ちゃんのジョークがピンポイントすぎて笑ってしまった。

父親が息子に怒るシーンが心にグッときた。

「だったら母ちゃんを亡くしたオレに… こんなもん書かせんじゃねえーよ」
引用: 「コウノドリ 2巻」鈴ノ木ユウ/講談社

僕は子供がいないけど、歳を重ねて、少しは言葉の意味がわかった気がした。

先に亡くなった妻に対して、赤ん坊を殺すような息子を育ててしまったことへの罪悪感。
妻だけでなく、孫も先に亡くなわせてしまう不甲斐なさ。

そういう感情がこの言葉には含まれているような気がした。

あと「家族の問題」という決断を医師に任せるシーンがあったけど、
これは自分もやっていそうな気がした。別に家族ではなく、自分自身の治療とかでね。
「今日は仕事に行っても良いですか?」とかさ、医者に聞いてしまうことがあるけど、これって自分の問題だよね(軽い風邪とかね、コロナとかインフルは駄目だよ)。
そういう意味でも医者ってストレスがたまる仕事な気がした。

コウノドリを読んでいて思ったけど、医者はあくまでアドバイザーなのだ。
最近、流行っているChatGPTと同じなのかもw?!

無脳症

漫画「ブラックジャック」を思い出した人は、僕以外にもいるはずw?!
ChatGPTで質問したら、ブラックジャックは無頭症で、今回のとは違うぽい?!

前話「未成年妊娠」では、中絶を進めなかったけど、今度は中絶を進める話しだったね。
医師として、母体保護のために、正しい中絶を患者に勧める話し。

前話とは違った角度で、医者の葛藤が描かれているよね。
産科医としての、もどかしい気持ちの葛藤が伝わってくる。

前話は、子供を産める人が「産まない」を選択する。
今話は、子供を産むべきではない人が「産みたい」を選択する。

人生は不条理だ。
望む人が臨んだものを得られない。
望まない人が他人が欲しがっているものを得る。

30年以上生きて、いろいろな人達からいろんな人生を聞いて、本当にそう思う…。
なんであんなに頑張っている人に、与えられなくて、こんな何も考えてないような人には簡単に与えられるんだろう。。。。
別に簡単に与えられたように思える人のことを24時間365日みているわけじゃないけどね。
でも、そうやって思ってしまうことが、何度もある。

3人目も女でショック。と言う人が描かれていたけど、こういう人は本当にたくさんいそう。
人は自分の境遇が当たり前だと思ってしまう。
だから、こういう人はたくさんいるよね。

「出産は奇跡」と、この漫画で何度も描かれる。

だけど、30年以上生きてきて、実際に妻が妊娠して、いろいろな人と話すけど、そんな雰囲気は全然感じない。
年配者と話せば口を揃えて「おめでとう」と言ってくる。まだ産まれてないのに何がオメデトウなのか?
命がお腹の中に宿しただけでも、奇跡なのだから、オメデトウなのだろうか?僕には未だに心の中でよくわからない。
ひょっとしたら深く考えすぎなのかもしれない。

中絶はたくさんいる話しなのに、オープンで話さないからね。だからこそ、当たり前のように思ってしまうのだろう。
辛いことだけど、もっと当たり前でオープンにならないかな。と思うことが、コウノドリを読んでいると多々思う。
でも、この感情は、実際に中絶した女性たちからしたら、とても無神経で失礼なことなのではないか?とも考えてしまう。
実際に聞いたら、下手したら社会的に抹殺されそうな気がするので、実際に聞いたことはない。

ともかく、この漫画「コウノドリ」を読んでいると、こういうことを多々考えてしまう。
妻が妊娠中にこの漫画を読むと精神的に良くないな(苦笑

被膜児

終盤まで登場する小松さんの初登場。
初登場シーンが隠れているシーンだったとはww

小松が15年前でも老けて見える。何歳の設定だっけ?!と思ったら、すでに40代であった。

別名「幸帽児」という名があるとは。昔の人はいろいろt考えるね。

喫煙妊婦

コウノドリの登場人物としてお馴染みの四宮先生が初登場。

どっちの医者が良いか?って例えはくだらなすぎて笑ってしまった。
どっちも必要だよww
でも、こういう医者っていそうだよね。。

会議で四宮先生がコウノドリ先生とのやりとりで心理テクニックを指摘していて笑ってしまった。

人間は「6%で死にます。」より「94%で生存します。」のほうを選ぶ傾向があるのである。
『ファスト&スロー(著者:ダニエル・カーネマン)』に書いてあったことを思い出したw

四宮先生の闇がちょっとだけ描かれるね。これは物語前半の今後の楽しみ?悲しみ?要素だったね。

常位胎盤早期剥離(早剥)も登場したね。この言葉は漫画でたびたび登場する印象。

おわりに

ついつい色々と考えて読むのに時間がかかってしまう。
ここで物語前半を支える主要キャラが、だいたい揃ったような気がした。

妻が妊娠中だからとても精神的に悪いけど、
現状を当たり前だと思わず、毎日の奇跡に感謝する心を忘れないため、
読み進めれるだけコウノドリを読んでいきたいと思う。

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