ただの感想である。考察ではない!ネタバレ込み!!
📝 はじめに
どうも、宇宙兄弟の主人公のようにオッサンな隣の鈴木(@next_suzuki)です。
「宇宙兄弟 46巻」 の感想を書き残す。
📘 この巻について(概要)
物語の概要と、読んだ理由を簡単にまとめておく。
📖 あらすじ
宇宙空間に取り残された六太を、日々人たちがついに救出。
六太と日々人が地球へ帰還し、長く続いた兄弟の物語が完結する。
💡 読んだ理由
約10年以上前に放送されたアニメを観てハマって以来、原作も読み続けている。
僕自身も二人兄弟の兄ということもあり、共感できる場面が多くて特にお気に入りの作品である。
💭 感想まとめ
シーン単位やキャラごとに感想を語る。
🌀読後の感想
- 1巻につながる、綺麗な終わり方だった
- 「宇宙」と「兄弟」というテーマを、最後まで描ききっていた
📖 各話ごとの感想
各話について語るよ。
以下で引用する章タイトルは『宇宙兄弟 46巻』(小山宙哉)から引用。
📘 #422
前巻の最後で、日々人が六太の手を掴んだ。
これで助かったのかと思いきや、六太は意識を失い、その手を離してしまう。
うん、そんなに簡単に終わらせてくれる鬼畜作者様ではないと思っていたよ。
六太を助けようとする日々人の、血走った目も印象的だった。
ここまで感情をむき出しにした表情は、初めて見た気がする。
そして、六太が投げ捨てようとしていたコテのような道具が、ここで役に立つ。
最初は、ジェット噴射でもできるのか?と思った。
でも実際には、物理的に距離を縮めるために使うとは。
すぐには役に立たなくても、何か次につなげようと諦めなかったことが、最終的に六太を救ったのだと思う。
ようやく、長く続いたハラハラが終わった。
最終巻の中では、この第1話が一番緊張した。
ここを越えてからは、もうエンドロールを眺めるような気持ちで読むことができた。
📕 #423
救出された直後、六太からなかなか言葉が出てこない描写がリアルだった。
僕は宇宙空間で一人ぼっちになったことも、あれほど命の危険にさらされたこともない。
それでも、本当に助かった直後というのは、すぐに感情を言葉にできるものではないのだろうと思う。
そんな張り詰めた空気の中で交わされる、兄弟の「おかえり」「ただいま」。
このやり取りには、かなりホッとさせられた。
読者の緊張まで一気に和らぎ、六太が本当に助かったのだと実感できる場面だった。
📗 #424
トイレを気にするのも、緊張が溶けた証拠だね。
自分の死体を発見されることを気にする視点が凄すぎる。人は、死を直面すると、そういうどうでも良いことを考えてしまうのだろうか?
作中に登場したキャラクターが、いたるところで登場するコマで溢れている。
まさにフィナーレした感じが半端ないね。このままで完でもいける流れである。
XやCNNのオマージュみたいなのでリアル感を出していたね。
六太より先に寝る日々人は、まさに強者である。
六太がトイレのことを気にし始めるのも、緊張が解けた証拠なのだろう。
ついさっきまで命の危機にあったのに、助かった途端、急に現実的な心配へ戻ってくる。
こういうところが妙に人間らしい。
それにしても、自分の死体が発見された時のことまで気にしていたのは、視点が独特すぎる。
人は死を目前にすると、意外とそんな、どうでもよさそうなことを考えてしまうのだろうか。
その後は、これまで登場してきたキャラクターたちの反応が、次々と描かれていく。
X(旧:Twitter)やCNN(Cable News Network)を思わせる画面も登場し、六太の救出が世界中で大きなニュースになっていることが伝わってきた。
作中のいたるところに懐かしい顔が登場し、最終巻らしいフィナーレ感がすごい。
正直、この流れのまま完結しても成立しそうなくらいだった。
そして、救出された六太より先に眠る日々人。
この弟、やっぱり強者である。
📙 #425
地球への帰還先が種子島と知って、少し驚いた。
なぜ種子島なんだろう?と思ったけど、最終話の展開につなげるためだったのかもしれない。
また、無事に帰還して終わりではなく、六太が今後も宇宙服を着られるのかという点まで、しっかり描かれているのが良かった。
日々人が過去に経験したパニック障害を乗り越えたように、六太も今回の出来事を乗り越え、物語が終わった後も再び宇宙へ向かう。
そんな明るい未来を、読者に想像させてくれる描写だった。
日々人が見せたピースのようなポーズは、何を意味していたのだろう。
ミスターヒビットのポーズか何かだった気もするけど、思い出せなかった。
最終巻だからこそ細かい部分まで拾いたかったけど、46巻のすべてを網羅するのは、さすがに難しい。
📘 #426
前話では、六太たちの帰還に対する世間の反応が描かれていた。
今回は一転して、身近な仲間たちからのメッセージが中心となる。
ヤッさんは、最後まで本当にヤッさんらしかった。
そして、突然始まった謎のSFアニメには驚いた。
『宇宙兄弟』46巻どころか、作品の歴史の中でもトップクラスに謎の演出だったぞ。
なぜ、このタイミングでこんなものをぶち込んできたのか。
読者の緊張を和らげるためなのか?と、少し混乱してしまった。
その後、記者会見でアニメが引用されたことで、ようやく意味が分かった。
記者会見で「アニメのセリフ」を堂々と言っていたけど、現実世界だったら流行語になりそうだよなw
📕 #427
あとは、地球へ帰還するだけ!
まずは、マキシムたちが一足先に地球へ帰還する。
帰還後の状態を「ととのう」と表現し、サウナのネタとかけていたのには笑ってしまった。
宇宙からの帰還という壮大な場面で、サウナの言葉を持ってくるのが『宇宙兄弟』らしい。
帰還する際には、太陽フレアの影響がないか心配されていた。
その説明の中に「リム」という言葉が出てきて、どういう意味だろう?と思ったけど、「縁」という意味らしい。
英語能力が貧弱な僕には、すぐには分からなかった。
六太と日々人が、救出されるまでの時間について語り合う場面も印象に残った。
死は誰にでも平等に訪れる。
それなのに、死を経験した人から、その体験を聞くことは誰にもできない。
たしかに、そうだよな。
当たり前のことなのかもしれないけど、改めて文章で読むと不思議である。
📗 #428
六太と日々人は、地球へ帰還するために大気圏へ突入する。
ところが、影響はないと言われていた太陽フレアによって軌道がずれ、弾道飛行モードになってしまう。
そして、二人の体には大きな重力がのしかかる。
えぇ、もう無事に帰還でいいだろ!
最後の最後まで、まだトラブルを混ぜてくるのか。
作者様、マジで鬼畜すぎる!
急激な重力がかかる中、六太へ冷静にアドバイスする日々人。
帰還の経験者だけあって、日々人の方が明らかに余裕がある。
セリフだけを見たら、完全に日々人の方が兄である。
大きな重力によって、二人とも意識を失いそうなほど朦朧とした表情を見せる。
そんな中、六太は隣の日々人へ視線を向ける。
六太は、何を思っていたのだろうか。
また視界が霞むような描写もあり、「このまま意識が遠のいて、気絶してしまうのか?!」と少し心配になった。
最後まで、いろいろと意味を含ませてくるな。
そんな宇宙船内部の心配をよそに、宇宙船は無事に海へ着水する。
📙 #429
おいおい、二人はどうなったんだ?! と思ったけど、無事に生きていた。
前話の、六太と日々人が視線を交わす描写は何だったのだろう。
最後の最後まで、しっかり心配させてくれるなあ。
そんな緊張感をほぐすように、近くにいた漁師さんが動画を撮影している。
しかも、「グルクンが大量にいる」と話していて、そっちも気になってしまった。
グルクンって何だ?!調べてみると、沖縄でよく食べられている魚らしい。
帰還直後の大事な場面なのに、妙なところが気になってしまう。
無事に帰還した後、六太と日々人が、ヤンじいの訓練のおかげだと話しているのには笑った。
あの訓練が、最後までしっかり効いてくるのか。
そして、エディがハガードと握手を交わし、ミッション「CES-66」の終了を確認する。
そういえば、物語が長すぎて忘れかけていたけど、もともとはこのミッションから始まった話だった。
六太が月へ向かった一連の物語も、ここでようやく一区切りついたのだと思う。
こうした仕事への向き合い方が丁寧に描かれていることも、『宇宙兄弟』が働く大人から支持される理由なのかもしれない。
📘 #430
六太が地球を旅立ってから、127日間が経っていたらしい。
そんなに長く宇宙にいたのか。
では、その127日間を、現実世界では何年くらいかけて描いていたのだろう?と気になった。
調べてみると、六太が宇宙へ向かったのは26巻からだった。
全46巻のうち、3分の1以上は宇宙にいたことになる。思っていた以上に長いミッションだったんだな。
いつもサングラスをかけていて、目が描かれないジェニファー。
そんな彼女の目が、最後に少しだけ描かれていた。
何だ、この「最終巻だから、今まで隠していた秘密を少しだけ公開します」みたいなネタはw
ローリーの服に関するネタも、正直もう見慣れていた。
でも、これが最後だと思うと、少し名残惜しい。
そして最後の最後でも、六太のツッコミが秀逸だった。
たしかに、これまでのローリーなら「祝」の文字が「呪」になっていてもおかしくないw
お父さんのジョーク陶芸も相変わらず面白い。
こういうくだらない笑いが、本当に最高なのである。
宇宙という、一つの失敗が命に関わる緊張感のある舞台だからこそ、日常ではくだらないジョークにホッとさせられる。
この緊張と笑いの緩急も、『宇宙兄弟』の大きな魅力なのかもしれない。
六太がセリカさんと食事へ行く話をしている時の、絵名ちゃんのニヤニヤ顔にも笑ってしまった。
あの表情は、いったい何を意味していたのだろうかw
そして、エディが六太に時計を託す場面も良かった。
先輩宇宙飛行士から後輩へ、大切なものや思いが受け継がれていくような描写に見えた。
六太もこれから何度も宇宙へ向かい、いつかはエディのように、次の世代へ何かを託す立場になるのかもしれない。物語が終わった後も、宇宙飛行士として活躍を続けていく六太の未来を想像させてくれる、とても良い場面だった。
📕 #431
六太と日々人をモデルにしたアニメの話が登場する。
日々人のキャラクターはウサギで可愛かった。
一方、六太はなぜか羊である。
正直、ちょっと気持ち悪いと思ってしまった。頭が天パーだから、羊なのだろうか?!
さまざまな宇宙飛行士の仲間たちと再会した後、最後に待っていたのはシャロンだった。
やはりシャロンは、兄弟が宇宙を目指すきっかけとなった、物語の核であり原点のような存在の一つなのだと思う。
そんな三人が再会し、抱き合う場面には泣かされてしまった。
46巻の中で、一番胸にじんと来た場面だった。
このまま病院での再会を描いて、どのように物語を締めるのだろう。
そう思っていたら、まさかの脱走プランが始まる。
そういえば、宇宙船に乗る前にも、夜中に脱走する話があった。
脱走することまで、宇宙兄弟らしいと思ってしまった。
📗 #432
ついに最終話。
冒頭は、第1話とよく似た語りから始まる。
なるほど。最初の話と対比させながら、物語を締める構成なのか。
六太と日々人の帰還から40日が経ち、二人の偉業も世間から少しずつ忘れられている、という冷静な語りも『宇宙兄弟』らしかった。
大きな出来事も、時間が経てば日常の中へ埋もれていく。そういう現実的な距離感が良い。
なぜ二人の帰還先が日本だったのだろう、と思っていた。
でも、二人が病院を脱走し、日本の島を歩く展開を見て納得した。
この場面が海外だったら、日本人の僕には、ここまで身近な感覚で受け止められなかったかもしれない。
六太と日々人は、雨宿りをせず、あえて雨に打たれる。
宇宙から帰ってきた二人が、雨や風といった地球の自然を、全身で味わっているように見えた。
六太は宇宙空間で、地球の雨の音を聞いたりしていた。
だからこそ、実際に雨を浴びるこの場面が、より印象的に感じられる。
僕自身も、ジョギング中に突然の雨に打たれたことが何度もある。
そんな時は、不快でありながらも、自然の中にいることを強く感じる。
だから、この描写には少し共感できた。
セリカさんが綺麗な横顔で描かれているコマもあった。
六太との関係がもう少し深く描かれるのかと思っていたので、少し物足りなさは残った。
ただ、この漫画の主軸は、あくまで六太と日々人の兄弟である。
恋愛を大きく扱わず、兄弟の物語として締めたことには納得できた。
ケンヂが新たなミッションに選ばれ、それを六太が少し羨ましく思う。
シャロンの病状も回復に向かう。
みんなに良い未来が待っているのかと思ったら、それらは六太が思い描いた理想の未来だった。
ここは、作者様に見事にしてやられた。
ただ、最終回の締め方としては、とても巧みだと思う。
登場人物たちの未来を断定してしまえば、「自分が思っていた結末とは違う」と感じる読者も出てくる。
でも、六太の想像として描けば、それは確定した未来ではない。
読者も、それぞれの未来を自由に想像できる。
描くべき希望は見せながら、未来を一つに決めつけない。
絶妙な終わらせ方だと思った。
そして、帰還中に六太の視界が霞んでいた理由も明かされる。
まさか、第1巻で子どもの六太と日々人が目撃した宇宙船が、未来の自分たちが乗っていた帰還船だったとは……。
この場面では、映画『インターステラー』を少し思い出した。
第1巻の宇宙船について、僕はこれまで、現代科学では説明できない不思議な出来事であり、兄弟が宇宙を目指すために必要な物語上の「きっかけ」として置かれたまま、これ以上は深掘りされず、回収もされないネタなのだと思っていた。
まさか最終話で、時間を越えたようなSF的な仕掛けとして回収するとは予想していなかった。
物語の始まりに置かれた謎が、最後になって綺麗につながる。これは驚いた。
六太と日々人が、「二人で宇宙へ行こう」と語り合ったことから始まった物語である。
だからこそ、最後も兄弟で締めるのが一番ふさわしい。
始まりをきちんと回収した、文句のつけようがない終わり方だった。
📙 #425.5
おまけでは、六太が宇宙空間を一人で漂っていた時に、何をしていたのかが描かれていた。
まさか、ユニコーンの『Feel So Moon』を歌っていたとは。
予想外すぎる。
これはもう、作曲者の奥田民生さんに捧げたネタなのでは?と思ってしまった。
🧑🤝🧑 キャラ別の感想
各キャラの感想をざっくり語る
六太
無事に地球へ帰還し、元気そうで何よりだった。
あれだけの経験をしても、相変わらず精神的に六太らしさを失っていないのが良かった。
日々人
最後の帰還では、経験者である日々人の方が、どちらかといえば兄のように見えた。
六太へ冷静に助言する姿は、完全に頼れる兄だったw
🔮 おわりに
ついに、『宇宙兄弟』が完結してしまった。
僕としては、シャロン月面天文台が完成したあたりで物語が終わると思っていた。
そこからさらに長く続いたので、寂しさよりも、まずは「やっと終わったな」という気持ちの方が強い。
それでも、最終話まで読み終えると、長年追い続けてきた作品が本当に終わってしまったのだと、少し寂しくもなる。
僕自身も二人兄弟の兄であり、弟の方が優秀だと感じることが多い。
そのため、弟より先に生まれた兄として、弟に背中を見せられる存在でいなければと頑張る六太の心情に、何度も共感してきた。
六太が悩みながらも前へ進む姿を見て、僕も兄として頑張ろうと勇気をもらった。
一方で、六太は決して完璧な主人公ではない。
だらしないし、ムッツリだし、いつも格好いいわけでもない。
それでも宇宙飛行士になり、自分なりのやり方で大きな仕事を成し遂げた。
そんな六太の姿に、格好よくなくても、完璧でなくてもいいのだと、肩の力を抜かせてもらった。
また、『宇宙兄弟』に登場する人たちの、さまざまな言葉にも何度も心を打たれた。
人生で困難にぶつかった時、この漫画のセリフを思い出すことで、気持ちを切り替えたり、もう少し前へ進んでみようと思えたりした。
物語として楽しませてもらっただけでなく、自分の人生にも少なからず影響を与えてくれた作品だった。
長い間、たくさんの笑いや勇気を与えてくれた『宇宙兄弟』に、改めて感謝したい。
そして、原作が完結したのだから、今度こそ最後までアニメ化してほしいw
📚 関連リンク
⬅️ 前巻(45巻)の感想はこちら


