1型糖尿病の妻との妊活・妊娠: 夫の体験記

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どうも、父親になった隣の鈴木(@next_suzuki)です。

糖尿病1型嫁の妊活・妊娠・妊婦の生活を旦那目線 による体験記を書く。

はじめに

9月に1型糖尿病の妻が子供を出産した。
出産までの経験を旦那目線で語る前に、伝えておきたいことを書く。

注意事項

人の生命に関わることなのでハッキリ記載しておきます。

※僕は医療関係者(医者、看護師)ではありません。医療の知識がゼロに等しい一般人です。

あくまで一般人目線の体験記です。
「医者に~と言われました。」と書いたりしますが、僕なりの解釈を書いています。
僕は医療のド素人なので、僕の解釈が間違っている可能性が十分にあります。
この記事の医学知識を信用せずに、ちゃんと自分の主治医の方に相談してみてください。

よって、あくまでも参考程度にしてください。僕はトラブルが発生しても一切の責任を持ちません。
もし、あなたかあなたのパートナーが1型糖尿病でこのサイトを見ているのなら、自分で考えて自分で判断してください。

1番最初に言いたいこと

1型糖尿病の嫁と付き合ってからも、結婚してからも何度もインターネットで検索したキーワードがある。

「1型糖尿病 妊娠」「1型糖尿病 出産」

検索結果に出てきたサイトには、だいたい僕なりにザックリまとめると下記のように書いてあった。

「血糖値をしっかりコントロールすれば、1型糖尿病でも子供が産めます。」

僕はこの言葉を鵜呑みにして、嫁と付き合い、嫁と結婚して、嫁と子供を作ることを決めた。
そして、無事に子供が産まれることができた。

結果論で言えば、検索結果に出てきたサイトの通りである。

しかし、僕は苦情を言いたい!!

こんな1行に簡単にまとめられる程、簡単な道のりではなかった。
世の中にはもっともっと辛い妊活や妊娠生活を経て、子供を産んだ人がたくさんいることも知っている。
それに比べたら大したことないのだろうが、僕にはつらい道のりだった。

妊活・妊娠中に辛いことがあると、何度もインターネットに書いてあったこの文章を恨んだ

経験したことない人のために、極端な例で説明させてもらうと、
「ちゃんと勉強すれば東大に合格できますよ。」と言っているようなもんだった。

まあ、東大は言い過ぎかもしれないが、GMARCHくらいかもしれない。

ある程度の年齢になれば実感すると思うが、
「やればできる」を達成するのは辛いわけである。
やればできる事っていうのは、できる人間は、もう既にできている。
世の中できない人がいるから、それをサポートするために、
英会話講師だったり、ジムトレーナーだったりの職業が存在するわけである。

しかも、妊娠は運も関係する。
例えばテスト勉強をしたとしても、必ず自分が必死に勉強した部分が出題されるとは限らない。
運が絡む。
妊娠も「運」が絡む。
いくら、血糖値のコントロールを頑張っても、運がなければ子供はできない。
運が絡むのに、頑張れば子供が産める!!みたいな文章が本当に許せなかった。

本当に血糖値コントロールは辛かった。妻と何度も喧嘩したし、妻を泣かせた。

夫婦で妊活を頑張れば頑張るほど、世の中に妊活で離婚する人がいることが理解できた…。
この苦労をたった1行にまとめられていることが本当に許せなかった。とても無責任な言葉に思えた。

勘違いしないでほしいが、僕は1型糖尿病の女性が妊娠できない。と伝えたいわけではない。
1型糖尿病の女性とお付き合いしている男性に「1型糖尿病の女性と子供を作るのは、大変だから別れたほうが良いよ」と伝えたいわけでもない。
ただ、インターネットの検索結果に表示されるサイトには、何も苦労が書かれていない。
簡単そうに書かれている甘い言葉に騙されないように!!!
甘い言葉には書かれていない、苦労と覚悟が必要だよ!と伝えたいだけである。
強い覚悟を持ってパートナーと新しい人生を築く努力に取り組んで欲しい。と願っている。

この記事で伝えたいこと

上記で熱く語りすぎたけど、
1型糖尿病の嫁を持つ旦那目線の妊活・妊娠中の体験を書きます。

こんな事が予想外だったよ。問題だったよ。驚いたよ。とかを紹介します。

この記事を書いた理由

1型糖尿病の嫁が妊娠して困ったことがあった。
それは「1型糖尿病の妊婦自身」に関する情報はネットの検索結果に表示された。

女性なのでブログなどに体験記を書いている人は多かった。
インスタとかにも載せている人はいた。

しかし、1型糖尿病を嫁に持つパートナー(旦那)の情報は皆無だった。

◯◯な苦労をしたときに、旦那はどうやって1型糖尿病の妻を支えてあげれば良いのだろう?!と思って、
ネットで調べても、全然情報が出てこない…。

ネットの検索結果をみるたびに、
僕みたいに「1型糖尿病の妻でも子供は産めるのか?」と疑問に思っている人は世の中にいないのか?!と何度も思った。

当事者の苦労と、支える側の苦労は違う。

もしかしたら、僕みたいな人はいないのかもしれない。
でも、そういう人がでてきたときに、その人の参考になれるように、この記事を書き残す。

あと僕自身がこの苦労を忘れないために。嫁の頑張りを忘れないために。

配慮

男性目線で書いてます。

当事者(嫁)と支える側(夫)の苦労は違います。

僕は支える側(夫)の目線で好き放題に書きます。
だから、当事者(妻)には失礼なことを書いているかもしれません。配慮に欠けていることを書くかもしれません。

もし、そういうものが嫌な人は、このページからどうぞ遠慮なく離脱してください。
思いやりは大切だけど、綺麗事だけで夫婦はやっていけません。

僕ら夫婦のこと

語る前に僕ら夫婦のことを紹介する。

30代中盤である。男性である。
仕事は普通の中小企業に務める土日が休みなサラリーマンである。
自称:健康なほうである。産まれてから病院に入院したことは1回もない。救急車に乗ったこともない。
風邪や花粉症で街のクリニックに行ったことがあるだけで、大学病院など行ったことがない。
性格は心配性。
子供は好き。子供を欲しがった。

30代前半である。女性である。
仕事は妊活に伴いフルタイムから週3勤務のパートに変えてもらった。医療事務をしてる。
5歳未満から1型糖尿病である。人生の8割以上は糖尿病なので、生粋でベテランの1型糖尿病である。
昔はインスリン注射も、今見たいなペンではなくて、瓶から取り出していたらしい…。
性格は大雑把なワガママ。末っ子&病人なので甘やかされて育った。せいだと旦那は思っている。
子供はそんなに好きじゃない。痩せている。

妊活奮闘記

本題の妊活・妊娠中の体験を書く。
無事に産まれたから良かったけど、産まれてなかったら、本当に悲惨だったと思う…。

病院を変更しなければいけない

夫婦で妊活をすることを決心した。

そして妻から次の言葉を言われて、僕は意味がわからなかった。

「通っている病院を別の病院に変更する必要がある」

滅多に病院でお世話にならない僕には、この言葉の意味が理解できなかった。

なぜ?どうして?
今の糖尿病の病院に通いながら、妊娠に特化した糖尿病の病院にも一緒に通えば良いんじゃないの?

嫁は「同じ科で、別々の病院で受診することはできないの!」という回答だった。
僕は嫁の回答が理解できなかった。
そんなわけないだろ?!数年前にセカンドオピニオンって言葉が流行ったじゃん?!別の病院だって受診できるに決まってるだろ!人間には選ぶ権利があるんだからさ!
妊活早々に、僕の脳内は混乱した。

僕らはあまり賢い夫婦ではない…。
妻は上手に説明できず。僕も理由を思い浮かぶことができなかった。

結論を書くと2つある(実際はもっとあるかもしれないけど)。

病院を変える必要がある理由

  • 病院同士で情報を共有する手間がある
  • 2つ目の病院は健康保険適用外となる

「病院同士で情報を共有する手間がある」は、すぐに納得できた。
これはあとで熱く語る。

「2つ目の病院は健康保険適用外となる」は完全に盲点だった。
同じ内容で2つの病院を受診しよう。と思ったことがなかったので、健康保険のことをスッカリ忘れていた。
健康保険により7割ほど負担されているのだった。
たしかに同じ内容で病院を受け放題になったら、健康保険組合の財源がいくらあっても足りないわけである。
健康児なのでまったく意識していなかったが、世の中は病院や薬などで色々とルールがあるらしい。

でも、自費なら何とかなるわけだけど、夫として情けない話だが、一般サラリーマンの僕にそんな余裕はなかった…。反省も兼ねて、この記事の後半で振り返りたいと思う。

僕は妻の「病院を変える」という話しで、さっそく申し訳なかった。
妻はクリニックに通っていた。もう10年以上も通っているらしい。
慣れ親しんだ先生とお別れをしないといけない。

病院を変える。ということは、環境が変わるのだ。
環境が変われば、人も変わる。その人と相性が合うか合わないかは行ってみなければわからない…。運である。
人間は環境が変わるとストレスが貯まる。
年齢を重ねれば重ねるほど環境が変わることがストレスになる。
老人が新しいモノに対応しなくなるのは、そのせいである。

妊娠が終われば戻ってこれるのかもしれないけど、妊娠のために主治医を変えてもらうのは、少しは抵抗があった。
僕は行きつけの店が多いタイプである。男性のほうがそういうのは多いらしい。
散髪屋とか15年くらい同じ店に通っている。
妻に「夫婦のために散髪屋を変えて欲しい」と言われたら、ちょっと嫌である。。。
その逆パターンを妻に頼むだ。いくら夫婦で決めたことと言えども、ちょっと申し訳なかった…。

病院の選択

妻と一緒にクリニックに行って、病院の選択肢を提示された。

病院の選択肢

  • 現クリニックに通う。妊娠したら提携している産婦人科に通う。
  • 糖尿病内科と産婦人科がある大学病院に通う。

僕ら夫婦は「糖尿病内科と産婦人科がある大学病院に通う。」を選んだ。
理由は下記である。

大学病院を選んだ理由

  • 大学病院が住んでいる市内にあった
  • 心配性な夫
  • 大雑把な妻

嫁が通っているクリニックは、住んでいる場所とは違う市だった。
理由は嫁が僕と結婚する前には違う市に住んでいたからである。

紹介された大学病院は、僕らが住んでいる市にあった。
僕は知っている土地なので、大学病院のほうが嬉しかったし、妻を支えられる自信があった。

当たり前だが大学病院のほうが医療施設が整っている。
嫁は糖尿病なのでハイリスク妊婦に該当する。
もしも何か問題が発生したときにすぐに手厚い医療が提供されるのは大学病院である。
僕は心配性だった。絶対に何かが起きると思っていた。
そんな何かが起きたときに後悔したくなかった。
クリニックじゃなくて大学病院を選んでおけば…。と後悔したくなかった。

医療の情報だって大学病院のほうがたくさん集まっているはずだ。
糖尿病における妊娠の参考データがたくさんあるから、嫁に合った医療を紹介してもらえるんじゃないか?と思った。
僕ら夫婦は30歳を過ぎていた。
現在の日本の妊娠の平均年齢ではあるけど、生物学的にみれば遅いのである。
正直、妊娠は時間との戦いである。
もっと早く良い医療を施していれば。と後悔したくもなかった。
だから、僕は大学病院を推した。

妻は「クリニックと産婦人科で別々の病院に行くのはめんどくさい。それなら1つで済む大学病院が良い。」と言ってくれた。
このときばかりは大雑把な性格で助かった!!と思ったw

そんなわけで僕らの意見は一致して大学病院の紹介状を書いてもらって、転院となった。

振り返ってみると、ここは1つ目のターニングポイント?であったと思う。

もし、私が心配性じゃなくて、医療に興味がなくて病院なんてどこも一緒でしょ?!
という考えで「別にクリニックでもよくない?」とか、
妻が「行き慣れた病院じゃないと嫌!!」とか、
大学病院が片道2時間以上の場所とか、だったら、
このあとに後述する展開に僕ら夫婦はパニックになっていたと思う。

子供は早いほうがいい

妻が通っていたクリニックに大学病院を紹介してもらった。
しかも、クリニックの先生が内科長と懇意だったらしく、大学病院の内科長を紹介してもらえた。
ホームページを調べたら科の中で一番偉い役職の人だった。

会った印象は、僕の中では凄い紳士な人に思えた。
先生のほうが10歳以上は年上だろうに敬語で喋ってくるし、医者らしい威圧感はなかった。

僕ら夫婦が妊活のために通院に来た。と伝えた。

先生からは簡単な糖尿病患者の妊娠のリスクについて説明があった。
そして最後に「糖尿病を除いても、年齢を考えて早めに産んだほうが良いですよ」みたいなことを言われた。

僕はこの言葉を先生に言われて、安心した。
早めに産んだほうが良いのは紛れもない事実なのだ。

漫画コウノドリでも描かれていた。
先述したが、僕ら夫婦は若くない、昔なら高齢出産だ。生き物としては遅いのだ。
ただ、人間の科学が成長して、医学が発展したおかげで高確率で産めているだけだ。
問題があって、1000gの子供が産まれても医療のおかげで助かっている。

しかし、世間の男性は医学の進歩のおかげで産めていることを知らない。

最近、周りの男性と話すと「女性が年齢を重ねると産みにくくなるなんて知らなかった。」と言われる事がちょいちょいある。
これを読んで女性は嘘だろ?!と思うかもしれないが、僕の周りでは現実に起こっている。
だから、もし子供が産みたい。と思っている女性がこの記事を読んでいて、パートナーがいるなら、
老化と共に子供が作りにくくなる事実を確率論で知っているのか、ちゃんとパートナーに確認した方が良い。
案外、男性は知らない。

ニュースには、芸能人が35代後半~40代前半で出産したニュースが流れてくる。
だから、世の男性はそれを見て「女性は40代前半までは産める」と思っている。
産める人がいるのも事実だ。だけど、産めなくて挫折した人だって世の中にはたくさんいる。
世の中は負のニュースが多いわけだけど、どうしてか子供の件については負のニュースが少ない。
芸能人だって妊娠したニュースは多いけど、流産したニュースは少ない。
そりゃあ、当事者の目線で考えれば流産のニュースを提供する人などいない。
だから、世の中には成功事例ばっかし世に出回る。
失敗事例は、まったく回らない。だから、世間の人たちは勘違いする。
「40代後半でも赤ちゃんは産める」と認識する。
ニュースに流れる、たった一文からでは、そこにある苦労も努力も何も想像できるはずもない。
僕だって無事に産まれたから、この記事を書いている。
もし産まれてなかったら、とても記事を書けるようなメンタルではなかったと思う。

この記事にたどり着いた人の年齢が何歳かは不明だけど、
糖尿病とは無関係に子供が欲しいなら急ぐことを強調する。

まあ、実際は理想ではわかっていても、それを現実化することはとても困難なんだけどね…。

CGMとインスリンポンプ

妊活に伴い、CGM(持続血糖測定:リブレやG6)とインスリンポンプの説明を受けた。

妻は今までは手で計測していた。
リブレは数年前に試したけど、痒いからすぐに辞めたらしい。
大学病院の紹介状を書いてもらう条件として、久しぶりにリブレを1ヶ月ほど試した。

僕はインスリンポンプの存在は知っていた。
なぜならたまたま昔の職場に使っている人が存在していたからだ。
1型糖尿病=インスリンポンプは必須 という先入観になっていたので、
最初は嫁が何も使っていないことに驚いた。

僕からすると、どうしてこんな便利な機械があるのに使わないの?! と疑問に思った。

例えるなら、LINEが存在するのに、未だに手紙で連絡のやり取りしている人 みたいな印象だった。
しかし、世の中はそんなに簡単ではない。色々と問題がある。
当事者には、支える側には想像できない苦労がある。

先生はインスリンポンプを提案してきた。
看護師さんから説明を受けた。
インスリンポンプ以外の医療費も込みで約4万円かかると言われた。
嫁はインスリンポンプは服につけると「目立つから嫌だ。」と言って嫌がった。

僕は内心ではちょっとキレた。
ワガママじゃないのか?!
子供が欲しいのに、外見なんか気にしてる場合じゃないだろ!!
いつまでも若い女性じゃないんぞ!僕らは若くもないし、そんな悠長なことを言ってられないだろ!!覚悟が足りないんじゃないのか?!
と思った。

でも、実際にインスリンポンプの実物を見せられたら、たしかに大きい…。
細身の妻にこのインスリンポンプは大きいし、重そうに思えた…。
実物をみると、嫁が嫌がる気持ちもわからなくはなかった。

結局、嫁はCGMを選んだ。

リブレはDexcom G6よりも精度が良くないらしいので、Dexcom G6を使うことになった。
ちょうど最近ではじめた機種だったらしい。こういうのをすぐに使えるのも大学病院を選んだおかげだった。
Dexcom G6は僕の中では、かなり良かった。
スマホにアプリを入れて値を見れた。しかも、ネットに繋げば離れている他者も値を見ることができた。
例えば、妻が家にいても、離れた職場にいる僕は妻の値をチェックすることができた。
もはや監視状態である…。
ここらへんも夫婦によっては揉めると思う。
監視されているので妻にとってはストレスだったと思う…。
値を夫婦で共有するのかは、夫婦で決めれば良いと思う。
うちの妻はたまたま嫌がらない人間だっただけである。
最初は心配でみていたけど、慣れてきてあまり見ていなかった(ォィ

1型糖尿病と付き合う人間なら、共感してもらえると思うけど、
ふと「低血糖で倒れているんじゃないか?」と不安に思うときがある。
いつも目の前にいるわけではない。離れているときは見れない。
仕事があるからずっと一緒にもいれない。
妻は家に一人でいることが多かった。
だから「家で一人で倒れていないかな?」と思うことがあった。

僕は親戚に1型糖尿病の人がいて、家で一人で倒れていたことがあった。
僕はその場に居合わせたわけじゃないけど、そういう経験談を親戚から聞いてしまったから、
妻も同じ事象を発生させる人間である以上、僕はそのことを考慮して生活せざる負えなかった。

人生の8割をインスリンを打っている嫁は笑顔で言う。
「大丈夫、いままで倒れたことないから!」

でも、それは過去であって、未来は何が起こるかわからない。
“いつか”はきっと来る。それに怯えながら暮らしている。

まあ、こんなことで不安に思う人間は、1型糖尿病の人間と付き合うべきではないのかな?と、たまに自問自答することがある。
その正しい答えは未だにわからない。

何はともあれ、このDexcom G6のモニター機能は、僕の不安を少しだけ和らげてくれた。
これがIoT(Internet of Things)の力なのだ。ヘルステックの時代に感謝したい。

値段もインスリンポンプより安いし、途中から医療費の計算?が変わったのか、少しだけお安くなったので家計的に助かった。
僕らは30代なので金銭的に少しだけ余裕があったから何とも思わなかったけど、これが20代で平均的な収入とかだったら厳しかったと思う…。

滅多に病院に行かない支える側目線を書いておくと、
1型糖尿病の1ヶ月の医療費を初めて見せてもらったときは、本当にビックリした。
月に1万円も医療費とか何だそれ?!僕の1年分が1ヶ月なの?!って感じった。
まあ、好きで払ってるわけじゃないのはわかってるけどね。でも、パートナーが驚いた事の一つではあった。

1日針で2回

この回数は、妻が妊活までの血糖測定器による測定回数である。
病院を変えて、医者や看護師さんに「少ない」と指摘された。

僕は血糖測定を行う人間を妻しか知らないので、
この測定回数が「普通」だと思っていた…。

しかし、医療従事者の話では、世間の人はもっと測るらしい。
その事実を知って驚愕した。

嫁も知ってはいたけど、幼少期からの1型糖尿病仲間もそんな感じだし、
それで生きれているので、1日2回だったらしい。

クリニックの先生は、嫁のワガママな性格を知ってなのか、あまり強めな指導をしない人だった…。
まあ、20歳超えて大人になった相手に「ちゃんと測定しろよ!」というのも馬鹿な話である。。。
早死しようが自己責任なのだから、指導しなかったことを攻める気にはならない。
むしろ、嫁のワガママな性格を考えれば、指摘しないのが正解な気がした。
僕が医者で仕事を無難に終わらせるなら同じ選択をしたと思う。

そんな正論を書いてはみたけど、
1日に何度も針を刺すこと。を実際に目の前で見ていると、「ちゃんと測定しろ!」とは本人には言いづらいものである…。

しかし、今回は子供を作る目的があった。
もう嫁一人の身体ではないのだ。一人の命ではないのだ。
嫁への甘さが血糖コントロールを見出し、その結果、奇形な子供が産まれてしまう可能性がある。
嫁と子供。子供が産まれたら子供のために、子供が成人するまでは生きてもらわなければいけない。
だから、嫁には測定の回数を増やしてもらうことにした。
僕も以前よりも妻に厳しく言う事にした。

妻は測定の回数が増えた結果、こんなに何度も測定するの嫌だ!!という気持ちから、
1,2日ですぐにCGM(持続血糖測定)に切り替えたのであった…。

最初、看護師さんにCGMの説明をされたときに、すごい嫌そうな雰囲気で、
私は針で頑張る!!みたいな雰囲気だったので、
すぐに音を上げたので、なんて意志が弱い人間なのだ…。とドン引きした。
これが針以外にも1,2回あったのでドン引きした(苦笑)

まあ、人間性はとても失望したが、
目的の妊活のためには、これが正解だった。
消去法でCGMを受け入れてくれたので良かった。本当に良かった。

振り返ってみると、下手したら最悪なシナリオだって存在した。
インスリンポンプも嫌だ、CGMも嫌だ。針の計測回数を増やすのも嫌だ。
もし、嫁が全てを嫌がったら、妊活をあきらめるしか手はなかった…。

たぶん、世の中にはあきらめてしまう人もいると思う。
例えそうなったとしても、それを僕は責めることはできなかったと思う。

嫁が我慢して折れてくれたから、ここから次の道が繋がったのだ。
たった3択しかない道を嫁が受け入れてくれたから、今があるのだ。

仕事をフルタイムからパートへ

治療のために仕事をフルタイムからパートへ変えてもらった。
これも少しだけお金に余裕がなかったら厳しかったと思う。

時間を減らしたのは血糖管理のためだ。
うちの妻は仕事中に、インスリンをなるべく打ちたくない派の人間だった。

自分の生きるか死ぬかに関わる問題なのだから、さっさと打てよ!と思ったけど、
インスリンを打つ本人は仕事中に他の人に迷惑をかけたくない。という意思なのである。

そんな気を使われていたら、いつま経っても血糖値が良くなるわけがない!!
仕事をして気を使うなら、気を使う時間を少なくするしかない…。
「仕事は辞めても良い」とは言ったけど、
妻が「家にこもって1日中血糖コントロールしていたら頭がおかしくなりそう。」と言っていて、
まあ逆の立場になったら、たしかにそうなるよな…。と思って、パートで働いてもらった。
情けない話だけど、そこまでお金に余裕もなかったからね…。

仕事中も遠慮なく血糖コントロールを行う性格だったら、フルタイムも問題ないと思う。
でも、うちの妻みたいに血糖コントロールを行わない性格だったら、フルタイムでのコントロールは厳しいと思う。
まあ、これは本人の気持ちと、血糖コントロールを応援してくれる環境によると思うけどね。

医者が嫌だ

しばらく通院して問題が発生した。

妻が「主治医の先生が嫌だ!変えたい!」と言い始めた。
妻いわく「最新の医学知識をひけらかすだけで、まったく患者に寄り添った治療をしてくれない。」と言っていた。

滅多に病院に行かない僕からすると、この気持ちが驚きだった。
医者を変えたい。と言って変えることができるの?!
しかも、紹介状を書いてもらって、紹介してもらった科長の先生だよ?!
変える。とかワガママにも程があるだろ?!

この時は本当に困った。
嫁の先生を変えたいってことは、「病院も変えたい」なのか?!
ここより遠い病院になると支えるのも大変になるぞ…。
時間がないのに、また最初からやり直しになるのか?!

正直、この時期は焦っていて、僕は本当に窮地に陥った心境だった。
もし病院を変えて、新しい先生を紹介してもらっても、
このワガママな嫁に会う医者なんているのか?!
そんなことしていたらあっという間に1,2年が過ぎてしまうのではないか?!
と、どんどん負の思考が脳内に浮かんできた。

「病院も変えたい」と言ったら、どうしよう?!と思いながら、恐る恐る嫁に確認をした。
嫁は「病院は変えずにお医者さんだけ変えてもらえるか聞いてみる。」と言った。
嫁のワガママなので嫁に電話をかけて聞いてもらった。
この時の結果を聞くのが怖かった。僕の中ではかなりの誤算だったのだ。

結果は無事に医者を変えてもらえたので良かった。
病院に通ってい慣れている人からすれば、
医者なんて簡単に変えてもらえるに決まっているだろう。と思うだろう。
しかし、僕は病院なんて滅多に通わないので、そんなことすらわからなかった…。
医者だって商売なのだから、そんな簡単に他の病院に行ってください。なんて言わないのかもしれない。
でも、老人はたくさん世の中にいて、患者は溢れているのだから、下手なワガママな患者より、
YESマンな患者だけ囲ったほうが賢い気がするから、断れるような気がしたのだ。

器具の進化

大学病院に行って、一つわかったことがある。
それは妻の知識が古いことである。
妻は物心が付く前から1型糖尿病だった。
めんどくさがり屋な性格もあって、あまり知識のアップデートをしてこなかった。
まあ、それでうまくやれているから、改善する必要ないでしょ?という現状維持スタンスである。
うーん、会社で言ったら、ダメ会社だね。
でも、世の中のだいたいの人間はそんなもんである。責めることはできない。

旦那の僕としては、だいぶアナログだよな…。と疑問に思っていた。
しかし、大学病院に通って、いろいろと医療機器は進化していることを知った。

例えばインスリンを注射器?ペン?で打つわけだが、妻は手書きでメモしていた。
こんなの今どきスマホで連携できないの?!IOTって知ってますかwww?と疑問に思っていたけど、
妻が自分でメモ書きしているので、何も言わないでいた。

大学病院に通って1年が経ったころ、妻のペン?注射器?が壊れた。
先生が新しい物を処方?してくれた。
その時に先生が「スマホと連携できるよ」と教えてくれた。

自分の中でショックだった…。うあ…。あったじゃん。聞けが良かった…。と後悔した。

他にも嫁のカーボカウントは数年前の古い知識で、現代では違う数え方。だということ。

などなど、妻の知識が古いことが発覚することが色々とあった…。
まあ、これは小児糖尿病と言われる患者だけが当てはまるパターンだろう。

当事者は慣れているから良いけど、支える側からすると、
アナログはなるべく簡便して欲しい…。
もし、パートナーがベテランの1型糖尿病だった場合、最新の医療を1回確認することをオススメする。
ただし、当事者のパートナーがそれを受け入れるかは、当事者の気持ちと、支える側のサポート次第である。

うつ病

治療を初めて約半年が経った。
血糖値は徐々に良くはなっていたけど、ゴールが近づいているような実感はなかった。

ある時、妻のメンタルが壊れた。
うつ病と診断されたわけではないが、このままではうつ病になってしまうのでは?と心配になった。
兄弟の子供の写真をみるのも嫌らしく、僕に写真を見せないでほしい。と言ってきた。

またある時は「私のせいで子供が作れなくてゴメンね。」と泣きながら謝られた。
夫婦で決めたことなのだから、謝らなくて良いのである。
しかし、僕が妻に謝らさせるくらい精神的に追い詰めていたのだ。
日に日に、子供が嫌になってくる妻。焦る妻…。

精神的に異変が起こってきた妻に「あきらめようか」とは言えなかった。
言えない自分に、ここまで妻を追い詰めて、自分はサイコパスなのではないか?キチガイなのではないか?と思った。

このあとに運良く、妻が妊娠した。
もし、あの状態が半年も続いていたら…と想像するとゾッとする。

先述したけど、世の中に妊活して離婚する人たちがいる。
僕は今回の経験でそういう人たちに何も言えなかった。
ただ自分が運が良かっただけで、もしかしたら自分もそうなっていたかもしれない。と思う。
絵空事のように「夫婦で困難を乗り越える」なんてことは簡単には口に出して言えない。

今は晩婚化が進んでいる。きっとこういうトラブル?困難?に悩んでいる夫婦は思っているよりも多いと思う。
ただ、負のニュースだから明るみに出ないだけなのだろう…。

何度でも書くが、本当に運が良かった…。

巨大児と奇形

いざ、妊娠して、初めて産婦人科に行った。

転院した際も糖尿病内科の先生には言われたけど、
産婦人科に始めていったときも、
糖尿病のリスクで、
サラッと巨大児と奇形のリスクについて喋られた。
もはや運に任せるしかないようだった。

でも、お医者さんに妊娠がわかったときに、
「五体満足で産まれるのが奇跡」と言われた。

これは糖尿病と関係がなく言ってきた言葉に思えた。
世の中には育った子供しか、基本的に見ない。
だから、健康ではない子供に会う機会は少ない。
少ないから、健康で産まれるのが当たり前だと思ってしまう。
それが常識になってしまうのだ。勘違いしてるのかもしれない。
医療の現場で働いている人からみれば、いろいろな健康ではない子どもたちをみているからこそ、
「五体満足で産まれるのが奇跡」と言ったのが奇跡と言ったのだろう。

ただ、できることはある。
お医者さんに言われた。
「やっても効果があるわからないことと、やったら効果があることがある」と言われた。

巨大児と奇形は、本当に効果があるのかはわからない。
いくら頑張っても確率を0%にすることは不可能である。
ただ、近づけることはできると信じて、血糖値をコントロールするしかないのだ。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)はいくつか

血糖値コントロールとは、何を基準に判断するか?と言えば、そのひとつはHbA1cである。
巨大児と奇形を回避する可能性を上げるためには、このHbA1cの値を下げる必要があった。

妊娠前にこの値を7.0より小さい値にするのが目標値だった。

先にも書いたが「血糖値をしっかりコントロールすれば、1型糖尿病でも子供が産めます。」という言葉を恨んだ理由の大半はこの目標値である。

もし、この記事にたどり着いた人が、これから1型糖尿病のパートナーと子供を作ることを考えようとしていた場合、
事前にHbA1cがいくつか確認することをオススメする。

7.0より高いか?低いか?で、天国と地獄が左右される。
私の妻は7.0より高かったので、今思えば地獄だった…。

このHbA1cを下げるのが本当に辛かった…。一番辛いのは妻なのはわかるけど、支える側も辛いし、頑張っている妻をみているのも辛かった…。
極端な例を書けば、偏差値50の人間に「勉強して偏差値60を目指そうね!」と言っているものであった。
努力すれば無理じゃない!!みたいな努力論があるけど、そんなに現実甘くないよ。そんなのが簡単にできる人間はさっさと偏差値60になってるよ…。

これから1型糖尿病のパートナーと子供を作ることを考えようとしている人には、脅しをかけるようで悪いけど、生半可な気持ちでは考えないほうが良い。

僕の妻はどちらかといけば、幼少期から病人だった。そのせいか親の育て方が甘やかしているように思えた(自分が親の立場でも同じように甘やかしたと思うけどね)。
よって、嫁は厳しい事は苦手だった。その結果が1日の血糖測定が2回だったわけである…。

しかし、今回はその厳しさを要求する。だって、そうしないと妻も子供も失うのだ。
自分が子供を欲しいから産んでもらうので、自分のワガママかもしれない。
でも、自分が嫁に厳しくしなければ、自分が大切なものを失う可能性があがってしまう。
自分が甘くして血糖値をいい加減にしたら、子供が奇形になってしまうかもしれない。
運良く赤ちゃんは健康時でも、妻の血糖値が悪ければ妻の寿命が縮まってしまうかもしれない…。
そんなことが脳裏によぎると、ついつい妻への口調が強くなってしまった。
自分のために、妻に嫌なこと(針を刺す)を強いられなければならなかった。
妻に強い言葉を投げかけるたびに、
「血糖値をしっかりコントロールすれば、1型糖尿病でも子供が産めます。」と書いてあった、平然と努力すればできます。みたいな文章を呪った。

これから1型糖尿病のパートナーと子供を作ることを考えようとしている人が読んでいるなら伝えたい。
あの文章には書いてないけど、
あなたにその覚悟がありますか?サポートする気がありますか?
「手伝う」んじゃないんですよ?一緒に協力しながら問題に立ち向かう必要があるのです。

別に血糖値コントロールしなくても、健康な赤ちゃんが産まれて、お母さんも合併症など発生しない人も存在するとは思う。
でも、それはその人が運が良かっただけである。
自分がそうなるとは限らない。
もし、自分がそうならなかったとき、「あのとき、ちゃんと血糖値をコントロールしていれば…。」と一生後悔しないために、
夫婦で一緒に努力するしかないのである。
その努力が夫婦と言えども他人同士なのでとても大変なのである。
しかも、負担は妻のほうが圧倒的に多い。男は口だけで指示しているだけだ。できることには限りがある。その限りあることをどれだけできるかだ。。。

増えるインスリン

妻のインスリンの単位が徐々に増えていった。

増えるとは聞いていたけど、本当に増えた。
普段は5単位くらいだったのに、最後は2倍以上の12単位とかになっていた。

注射の回数も増えたので、嫁は「こんなに針を刺すならインスリンポンプが良い!!」と弱音を吐いた。
本当に意思が弱いな…。と再びドン引きした。
あんなに看護師さんやお医者さんの前ではインスリンポンプは嫌だと言っていたのに…。
自分の言葉は曲げないような、意地はないのだろうか??と思った。

でも、結果論を言えば、意地がないおかげで無事に子供が産まれたのである。
意地なんて何の約にも立たない。
意地を通されていたら、まだ子供は産まれていなかったと思う。

注射が打てればよかったな

夫婦で頑張って血糖値をコントロールして、なんとか妊娠までこぎつけた。
自分なりに事前に準備はしたつもりだったけど、「やっておけばよかったな…。」と後悔したことがあった。

それは「僕が妻へ注射を打てるようになる」ということだ。

思った経緯としては、妻がつわりが酷くて、体調がとても酷くなった。
体調が悪くて気持ち悪いときでも、1型糖尿病の妻は注射を打たないといけない。打たないと死ぬのだ。
ただでさ辛そうな時に、震える手で注射を頑張って打っている姿は、とても痛ましく思えた。
こんな時に自分が代わりに注射を打てたらな。とは思えた。

嫁は実家にいた時代は体調不良のときは母親が打ってくれていたらしい。
まあ物心つく時は自分で打たないで両親が打っていたのだから、そりゃあお母さんが打てて当然である。

他にも血糖値コントロールをしていて、1日に何度も注射を打っていると、嫁が「もうめんどくさくて嫌だ。」と言い始めることがあった(苦笑
例えば深夜にCGMの警告アラームで高血糖の時とかである。
せっかく気持ちよく寝ていて起こされたのだ。わざわざ起きて注射を打つのはめんどくさい。気持ちは理解できる。でも、打たないといけない。。。
「そんなに嫌なら僕が代わりに注射で打つよ。」と言って打てたら良かったな。。と思うことも何度か合った。

医療の法律はイマイチ理解してないけど、私もこういう時くらいは妻に注射が打てるように準備しておくべきだったな。。と後悔した。

まあ、私の妻はどちらかと言えば私が注射を打てるようになることを嫌がっているようだった。
妻の意見を聞いていると糖尿病患者は「基本的にはインスリン注射は自分で打たないといけない」みたいな論があるのか、
やっぱし自分以外の非医療従事者に注射を打たれるのは怖いのか、
寝てある間にこっそりと注射を打たれて殺されないか?(笑)とか考えているのか、
ちょいちょい理由があるぽい。

まあ拒否はされたけど、将来お互いが老化したことも考えて打てるようになっておいたほうが良いよな。と今でも思っている。
そんなわけで1型糖尿病のパートナーの人は、相手と話し合っておいても良いのでは?と思う。

反応しないG6

妊娠後期になりDexcom G6が反応しなくなった。
約2週間くらい持つはずなのに、5日とか酷いと3日くらいで使えなくなった。
原因は不明である。妻が痩せていて脂肪が少ないからかもしれない…。

付け替える回数が増えたので、妻は発狂した…。
しょうがないのでしばらくは針で血糖値を測っていた。
お医者さんが別の場所に着けることを提案して、変えたら安定したので何とかなった…。

医学は進歩しているけど、無理なものは無理!なときもあるのである。

分食

妊娠後期は高血糖を避けるために分食になった。
1日6食である。

高確率でNICUへ

糖尿病から産まれた子どもは下記の2つがあるから高確率でNICU(新生児集中治療室)に入る。と言われた。
・低血糖
・呼吸障害
今まで腎臓の負荷くらいしか言われてこなかったけど、あぁついに来たか。と思った。
絶対に後出しジャンケンで何か言われるな。と思っていたので、ついに来たか。と思った。
まあ最初に妊娠がわかったときに、そういうこれからわかってくることがある。みたいな含み発言はされてたからね。

呼吸障害は自然分娩だけ発生して、帝王切開だと起きないのでしょうか?と聞いたら、
むしろ帝王切開のほうが発生する。と言われた。
子どもは産道を通るときに呼吸ができるように鍛えられるらしい。
そこを帝王切開だと、鍛えられないで産まれるので、呼吸の能力が弱いままらしい。

でも、先生の説明だと、どうして糖尿病の母親から産まれる子どもは、
低血糖なのかわからなかった…。

しょうがないのでChatGPTに答えてもらった。

「過渡期呼吸障害」について教えてください。 どうして母親が1型糖尿病だと発生するのですか? 因果関係を教えてください。

「過渡期呼吸障害(Transient Tachypnea of the Newborn, TTN)」は新生児が出生直後に呼吸困難を示す一時的な状態を指します。具体的には、新生児の呼吸数が増加することが特徴的です。通常、この状態は数時間から数日以内に自然に改善します。
原因としては、過渡期呼吸障害の新生児の肺には出生直前まで羊水が充満しており、通常は出生時の最初の数回の呼吸や産道を通過する圧迫によって、この羊水が肺から排出されます。しかし、TTNを発症する新生児では、この羊水が十分に排出されず、肺内に残存してしまうことが原因となります。
1型糖尿病の母親の場合、過渡期呼吸障害のリスクが高くなる理由は以下の通りです:
1. 血糖の影響:母親の血糖値が高い場合、胎児のインスリン産生が刺激され、生まれた直後に新生児の血糖値が急激に低下することがあります。これが新生児の呼吸を不安定にさせる可能性があります。
2. 巨大児:糖尿病の母親から生まれる赤ちゃんは、巨大児のリスクが高まります。巨大児は、過渡期呼吸障害を発症するリスクが高くなります。
3. 帝王切開出産:糖尿病の母親は帝王切開で出産することが多い場合があります。帝王切開で生まれた新生児は、自然分娩時と比べて過渡期呼吸障害を発症するリスクが高いとされています。これは、産道を通過することで肺の羊水が排出されるプロセスがスキップされるためです。
以上のような複数の因子が組み合わさり、1型糖尿病の母親から生まれる新生児の過渡期呼吸障害のリスクが高くなると考えられています。

まあ、これがどこまで正しいのかは不明だけど、納得はできる説明だった。
僕の子供は2.巨大児ではないのではないので当てはまらない。
3は先生が言っていたことと一致する。
つまりは1である。要するに低血糖でフラフラしているから呼吸もままならなくて、それが結果として呼吸障害になるのだ。
つまり低血糖からくる呼吸障害なのだろう。

なんか他にも、後出しジャンケンがくるんだろうな。と思った。
一緒に母親と子どもが一緒に退院することは不可能な可能性が高いらしい。
NICUに入ると母乳を毎日もっていかないといけないらしい。
そういえば漫画「コウノドリ」にも描いてあったな。と思い出した。

ちなみに僕はNICUに入ることを聞いても、負(不安・心配)の感情はゼロだった。
あぁNICUに入ることになるから大きい病院じゃないとダメなのか。
最初から大きい病院にしておいてよかった。妻も大きい病院に行くことをアッサリと認めてくれたから良かったわ。ついてる。と思った。
これでもし駄々こねられて、通っていた医者が提案した地元の産科と提携とかしてたら、結局はこの大学病院みたいな規模の病院に飛ばされていたかもしれない。。。

お医者さんが「何か聞きたいことありますか?」と聞かれたけど、別にNICUなら安全なわけだし、もうほかに手はないのだから、なにがあるんだ?と思って、
大丈夫です。みたいな反応してたら、
お医者さんは「えっ、もっと不安なこと聞いてきたりしないの。。。」とキョトンとしていた。
漫画「コウノドリ」を読みまくった僕には、それくらいで済むならばんばんざいに思えた。超強運である。

結果は、NICUに入らなかった。
子供は小さいけど元気だったのでNICUに入らなかった。
サイズも2600gより小さいおかげで母親への腎臓への負荷も少なかったと思う。
本当に母親おもいの優秀な子供だった。母子と共に退院することができた。運が良かった。

ミルクと母乳

子供を産まれたら、ミルクか母乳を与えることになる。

赤ちゃんは母乳を飲むと免疫がつく!!だから、産まれた子供には絶対に母乳で育てて欲しい!!とかは思わないほうが良い。と思う。
もし自分が思わなかったとしても、自分の親などの年配者がそういう思考の人がいたら注意であるかもしれない。

1型糖尿病の母親は、赤ちゃんに母乳を与えると低血糖を起こす可能性がある。
まあ自分の身体から赤ちゃんのためにエネルギーを絞り出しているわけだから、血糖値が下がるのだろう…。
低血糖になれば意識を失う。その結果、赤ちゃんを床に落としてしまう。などの惨事に繋がるかもしれない…。

だから、僕の妻は母乳ではなくミルクで育てることにした。
妻の周りで意識を失った事例があって、それを聞いて怖くなったらしい。
僕は母乳で育てて欲しい気持ちはあったけど、でも、ミルクでも赤ちゃんは育ちはする。
妻と子供が共に元気なら、授乳の手段は何でも良かった。
幸いなことに、僕以外の周りの人間も母乳絶対派の人間はいなかった。

ただ、偶然ぼくの周りにいないだけで、母乳を崇拝?神聖化?している人はいると思う。
自分が共用されたから、下の世代にも共用する老人などはいるとは思う。

子供を作って産んで終わりではない。
産んだあとも1型糖尿病だから崇拝?された育児論とは違う方法を取る必要があるときがあると思う。
そういうことも考えて、何かあったときに妻を守るために、周りの人間を諭す?説得する?だけの気持ちはあったほうが良いと思う。

もし自分の母親が「母乳じゃないとダメよ!」とか言ったら、本当に最悪の展開だったと思う…。そうならなくて本当によかった。運が良かった…。

おわりに

後半はだいぶ雑だったが、それが僕ら夫婦の妊活と妊娠生活だった。
まだまだ書ききれないこと、書き忘れていることもあると思う。

何度も何度も書くけど、運が良かった。奇跡が起きた。
子供が産まれたので、ここが終わりではない、やっと始まったばかりなのだ。
ただ、僕ら夫婦にはここまでたどり着くのがとても大変だった。

世の中には、僕らみたいに深く考えずに子作りして健康な子供が産まれた1型糖尿病の妻を持つ夫婦もいると思う。
それは結果的にうまくいっているのだから、とても恵まれていて良いことだと思う。
もしかしたら、僕ら夫婦が心配しすぎなのかもしれない。
僕らがもっと若かったら、こんなに悩まず住んだのかもしれない。だけど、また別の問題で苦労したとは思う。
何が答えなのかはサッパリわからないけど、これが僕らが試みた結果なのだ。

何はともあれ産まれてよかった。
厳しいことや嫌味を何度も言ってしまったけど、
それでも諦めずに最後まで頑張ってくれた妻には本当に感謝しています。
まだまだ始まったばかりだけど、これからも夫婦で頑張っていきたい。

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