コウノドリ 1巻 -感想- クライマックスが近いので読み直してみた

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どうも、独身アラサー男こと隣の鈴木(@next_suzuki)です。

コウノドリ 1巻 の感想。

ただの感想である。考察ではない!

1回目

2020.04.25に読んだ感想。

あらすじ

4話収録されている。

収録話

  • 受け入れ拒否
  • 切迫流産
  • 淋病
  • オンコール

読み直した理由

1巻の発売当初から読み続けている。
2020年4月の段階では30巻になっている。

連載誌のモーニングでは、5月7日で連載が終了予定らしい。

結婚してお嫁さんが妊娠したら読み直そう。と決めていた。

しかし、30歳を過ぎても結婚するか怪しい。
クライマックスが近づいた記念に読み直すことにした。

久しぶりに手にとった初版は、日焼けしたせいで少し黄ばんでいた。
いったいどれくらいの歳月が経ったのだろう?と、発行日を確認したら2013年6月21日だった。

思い返せば、この漫画のおかげで、
合コンで出会ったNICU勤務の看護婦さんをブチ切れさせたり、色々とあったなー(苦笑

画風

ありがちな感想だが絵が違う。

全体的に絵の雰囲気が劇画タッチだった!!

鴻鳥先生の絵が、
30巻の絵に比べて老けている!!
30巻の絵のほうが表情が柔らかくて若く見える(笑

登場人物

下屋先生はすぐに登場していたことにビックリ。

一番驚いたのは、
ソーシャルワーカーの向井さんも1話目から登場していたことー!
初期から登場していた割には、しっかりと説明されたのが29巻だったから脚光を浴びるのが遅かったな~。

受け入れ拒否

コウノドリを読むまでの僕は、
ニュースで「妊婦たらい回し」の報道を見るたびに、

「命が最優先だろ!どうして受け入れ拒否なんかするんだよ?!どうせ医者は金儲けが最優先なんだろう!」

と憤りを感じていた。

だけど、
コウノドリで描かれた医療現場目線のリスクを知って、
考え方が180度変わった。

自分自信の無知を恥じた。
僕がニュースに振り回されている一般市民の一人であることを自覚した。

病院も会社のようなものである。
個は優先させるべきではない。
無知で無責任な患者一人のために、自己管理してきた多くの患者を巻き込んだり犠牲にはできない。

ドラマやドキュメンタリーで、
一つの命を救うことの美談に夢中になりがちだ。
感情論で考えるようになっている。

しかし、論理的に社会?団体?として適切な行動は何か?を考えれば、
一つの命を優先することが正解とは言えない場合があることも、よくわかる。

こういう医療現場目線の心理描写が描かれる点も、コウノドリを気に入った理由の一つだろう。

「負けるなよ」
引用: 「コウノドリ 1巻」鈴ノ木ユウ/講談社

最後に鴻鳥先生が赤ちゃんに向けた言葉がジーンと胸に刺さった。

切迫流産

1話目と違い。

妊娠中の苦悩が描かれる。

妊娠さえしてしまえば、
あとは約10月10日をのほほんと過ごせば、赤ちゃんが自然に産まれてきて、親になれる。

そんな僕の楽観的な価値観をみごとにぶっ壊してくれる内容だった。

妊娠しても安心はできない。
妊娠中にはサマザマなトラブルが待ち構えることもありえる。

赤ん坊ができたと喜びに浸るだけが妊娠じゃない。
2話目の内容のように、
もしかしたら夫婦で苦渋の選択を迫られる瞬間が訪れるかもしれない。

苦しいときに、夫婦で歩み寄りながら話し合うことができることの大切さ。
そんな会話をできる相手を人生の伴侶に選ぶ必要性。

妊娠後に待ち受ける苦しい現実のパターン を教えてくれる漫画だった。

振り返ってみれば、
僕はこのリアルな描写に惹かれたこそ、30巻まで読み続けたのだと思う。

まあ、この夫婦の苦しみの例は、まだ序章に過ぎないのだが…。

淋病

2話目と打って変わって、3話目はギャグみたいなテンポの内容。

周りに風俗に行く人間が少ないので、こんな人間本当にいるのかよー?!と疑問を持ちながら読んでいたけど、
後日、嫁さんにクラミジアを移しちゃったー!という知人がいたので、本当にある話なんだなー。

だからこそ、ネタにしたのだと思うけど。

3話目で女性の「強さ」と「怖さ」が描かれるが、これもまだ序章だ。
これから30巻へと続く、幕開けでしかなかった…笑

女性の割り切りは本当にスゴイと思う。
恋愛で「女は上書き保存」とか、本当に良い例だよな。

オンコール

ジャズピアニスト「ベイビー」の紹介する話だね。
ボーナストラックらしい内容だった。

「逆子」の恐ろしさを知る。
へその緒による酸欠のリスク。

のちに知人から、
へその緒が絡まっちゃってね、

おまけ

お子さんによる落書きである。

はじめて読んだときは、よくこんなの汚い落書きを載せたよなー。とビックリしたものである。

のちに成長を伺えて面白くなるんだけどね。

おわりに

全体的な印象としては、1冊に上手にまとまっている。

約7年前の僕は、
大半の人は、妊娠さえすれば、何事もなく子供を産んで親になる。

そんな楽観的な考えだった。

そんな僕の間違った価値観をぶち壊してくれる作品だった。
この作品に出会ったおかげで、妊娠に対するいろいろな価値観が変わった。

例えば、

地元の墓を観たときに「水子」が多いことに驚いた。

主婦の人と話すと
妊娠中に急に入院したり、
帝王切開になったり、
不妊治療をして苦しんだり、
そういう経験をしている人が、自分からは話さないだけで、結構な割合でいることを知った。

むしろ何もないことのほうが珍しいんじゃないの?!とすら、最近は思うようになった。
(逆にこの漫画に感化されすぎなのかもしれないけど…笑)

また忘れた頃に読み直そうと思う。

2回目

2023.07.16に読んだ感想。

読み直した理由

結婚してお嫁さんが妊娠したら読み直そう。と決めていた。

やっと妊娠して今年に産まれる予定なので読み直してみることにした。
漫画「コウノドリ」は、妊婦の色々なシーンが描かれている。

正直、妻が妊娠中に読むのは怖い。
あぁ自分もうこうなったらどうしよう。と不安になるからだ。
不安になったけど、何も起きなかったら起きなかったで、なにか起きた人たちに対してなんか不謹慎な気持ちになってしまう…。
そういう不謹慎な感情を抱く事じたいが、そもそも不謹慎な気もする…。

しかし、コウノドリのファンとして、今読まずしていつ読むのだ?!と思う。
妻が大変なときこそ、この漫画を読んで妻を支えるのが夫の役目なのでは?!
そんな気持ちで読むのは怖いけど、読むことを決めた。

発売日

今は2023年7月16日である。

僕が持っているコウノドリの発売日を確認してみた。
初版であり発売日は2023年6月13日だった。
驚いたことに、もう10年以上も前の本なのだ。

この漫画「コウノドリ」は、32巻で無事に完結を迎えた。
これだけの巻数があれば10年の歳月を超えていても当たり前である。

10年前の漫画だと気づいて、あることが思った。
最終巻でも描かれていたが医療は日々進歩している。
この10年前の情報は、古い情報かもしれない。

xxxgまでしか生きられない。とか書いてあるけど、ひょっとしたらもっと生きられる可能性の境界線は変わっているかもしれない。
そういう10年前の過去の情報だ。と意識して読まないと駄目だな。と気づいた。

ベイビーの設定

物語が完結したからこそ思うタラレバなんだけど、もっとピアニストとしても成長できたら幅が広がったのかなー。と思った。

まあメインは産婦人科だから、あくまでピアニストは、普通と違った産婦人科医を際立たせるための要素に過ぎないわけだけどね。
最後の最後までベイビーだと周りにはバレないで終わったね。

でも、冒頭から下屋先生には自分がベイビーだと暴露してたねwwww
のちに下屋先生はベイビーのライブを観に行けるわけだけどさ、気づかなかったもんなー。

受け入れ拒否

物に溢れた豊かな世界になっても、未だに子供の死亡事故が絶えない。
悲しい現実である。

コロナで貧困差が進み、
この母親みたいに自分に精一杯で「知らなかった」って人はたくさんいるんだろうな。
てか、こういう制度こそ、学校の授業で教えたら良いんじゃないの?!
でも、こんな特殊なパターンのために授業カリキュラムを組んでいたら、切りがないか…。
10年前の内容なのに、永遠に変わらないんだろう。と、あきらめの気持ちを抱くようになってしまった自分自身に対して悲しかった。

最後に鴻鳥先生が赤ちゃんに自分の曲を聴かせていて笑ってしまった。

切迫流産

排便まで管理されるのは想像したら大変だな。と思った。

最近、産科の先生と話していて思ったけど、

「正解のない決断を患者にさせている」
引用: 「コウノドリ 1巻」鈴ノ木ユウ/講談社

は本当に正しい。と思う。

最近、AIとか目まぐるしい発達を遂げている。
医療も日々進歩しているけど、それでも人間について不明点は多い。

だから、お医者さんは「ハッキリ」と断定はできない。

医者に言われた言葉がある。
「ハッキリ効果があるものはやらないほうが良い。だけど、ハッキリ効果があるかは個人差なのでわからないものもある、それらに対しては可能ならばやらないでいてほしい」

この個人差がまさに「正解のない」ことなんだと思う。
それをやるかやらないかは患者に決断させている。

まあ、たしかに当事者なのだから、自分で判断するしかないんだけどね。
でも、医者ってそういう曖昧なものを相手に選択させる仕事だよなー。と思った。

淋病

「イクメン」という言葉が、最近は消えた気がした。
たしかに10年くらい前からあったよね。

今は共働きが主流になってきて、
そもそも子供は夫婦で協力して育ていくものだから、「イクメン」って何だよ?!みたいな感じになってるよね。

時代の流れを感じた。
良い変化だよね。

こういうクズ男は今のいるんだろうな。エプロンして土下座しているシーンが笑ってしまった。

オンコール

2000件中に300件は問題があるらしい。
10年後の今はどれくらい下がっているのだろうか?!
そもそも子供が減ってるからなー。

うまくベイビーとして物語がまとまっている。
この1巻は何度読んでも1冊に上手にまとまっているよね。

おわりに

久しぶりに読んでも怖い本だ。

だけど、周りの友達からはあまりこういう物語のような話しは聞かない。
それは私が友達が少ないせいかもしれないし、
自分だけの問題として抱えている人が多いからかもしれない。

子供が減っている世界だけど、
多くの赤ちゃんが世の中に生まれてほしいと思う。
これから地道に読み続けていきたいと思う。

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